私は、メーカー・問屋業のコンサルタントを希望していましたので、船井総研のお客さんで家具問屋O社での指導現場で修行する機会を頂きました。メーカーと小売店の間にある「問屋」さんに、現場での「売れ行き」を報告し、それに適合する「商品」を開発する模様を体験しました。大変、新鮮な体験でした。これらを通して、平成4年10月に念願の「客員経営コンサルタント」の資格を得ました。
早速、上司のSさんに「資格をとったので、仕事で活用する方向で何とか活かせて欲しい」と頼みましたが、Sさんは賛成してくれたのですが、悲しいかな「栩野君の客をつくるだけだ」という意見の役員がいて採用されなかったとの事です。もともと、大量の人を宛もなくクビを切り、平気で事業を継続する人がいる状況ですから、基本的に「生き方」を間違えている会社と言えます。まず、お客様に役に立つ、その結果、社員がいきいきする、そういうプロセスで会社が発展していくというシナリオが理解できないというのが残念でした。
後で聞くと反対した役員は、就業中に立場を利用してIBMなどで講演したり、論文を出したりして大きな謝礼を稼いだり、自分の属するコンサルタントの集まりに会議室を提供したりして、退任後の準備をしていたとの事です。こんなモラルの役員を野放しにする親会社も大したことがないと言えます。「見切る」という言葉がありますが、このままでは「道」がつながらないと判断して「自立」に向けて残務整理することにしました。
98話でご紹介した成瀬特殊木材(株)の案件や95話でご紹介したT社のシステムを受注して、ソフト開発していました。成瀬特殊木材(株)には、納期が遅れた上に「工数オーバー」という事で会社命令で300万円の追加請求を飲んでもらいました。成瀬社長は、「栩野さんが、会社に居れなくなると大変だから」と言って、会社にわざわざ来て下さり役員と話をしてくださいました。T社の開発は、マイクロソフトのWindowsに問題があるのか、IBMの5250エミュレーションに問題にあるのか判別しがたい現象を起こすトラブルがありました。この解決に約半年かかりましたが、IBMの協力で解決することができました。これで、身軽になれた!
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