こんな風に、営業という未体験の仕事が始まりました。分裂・混乱する会社で、荒れた風土の下で仕事している時に、船井総研が「客員経営コンサルタント」を養成するという講座が目に飛び込んで来ました。普段は殆ど気にしていない日経新聞の夕刊の突き出し広告だったのです。さっそく、説明会に行き、担当役員の宮内さんの説明を聞きました。「売る」という事に渇望していたので「小売りノウハウ」は新鮮でした。
同じ時期に、日本LCAさんも同じような講座を開く話がありました。この講座説明会に行くとLCAの担当者は「船井さんは単純だ。お店に行って何が一番よく売れるか聞き、お店で一番売れる場所を聞く。そして、一番売れる商品を一番売れる場所に「山積み」せよと言うだけだ」と喝破した話がありました。私は、この話を聞いて「ええやないか、シンプルこそ、本当のルールだ」と感じたのです。さらに、船井総研で勉強する決意を高めました。
この時期は、上司がSさんに変わっていたので、この話をすると大いに賛成してくれました。仕事が終わってから行われるスケジュールだったので、希望が湧いてきました。養成スクールの日程は、合計22講義で毎週のように開かれました。最初は、船井流経営法のレクチャーと自己棚卸しということで、自分の「長所」発見を行い、それを「商品化」するという手法でした。だから、テキストか何かを期待する人には、全く、違った手法でした。
ともかく、自分のやりたい事を実現させる「できる事」を発見する為に、講師の宮内さんの指導に従って「宿題」をこなして行きました。私たちは約35名くらいの受講者が居ましたが、すぐに「本」を出す準備に入る方や「セミナー」を企画する人などが出る一方で、先を見切って辞める人も出ました。私は、ともかく、最後まで頑張って「客員経営コンサルタント」の資格を得ることに焦点をあてました。
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