すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第95話 「関連会社で営業経験!」C・・Faxブレチンでパソコンを売る!

そうこうしている内に、営業部隊に休職者が出るなどで、希望していた「営業」に回ることができました。現実的には、「最悪」という状態・・お客さんを勝手に仕分けるという「身勝手」な話ですから、お客さんとの関係が非常に悪化していました。さらに、営業部長として残ったMさんも「借りてきた猫」状態であり、具体的な指示を出す訳でなく、今までの自分の情報ルートから来る「見積」だけに専念するような状態ですので、一般の営業マンも積極的に動けないという状態でした。
日常活動が混乱する中、ともかく「自分でも何とかしなくては」という思いで、IBMの世界で「テレ・ソン」という一日中電話をかけっぱなしにすることや、数少ないお客様を訪問したりしました。今までにお付き合いのあったお客様を回ったのですが、最初は、成瀬特殊木材(株)を訪問しました。こちらの「日立」の機種がリースアップの時期に来ていました。話を聞くと「生産管理」のシステムまでに発展せず、前職で、私たちが納めたシステムが「漢字」に置き換わっただけのような状態で動いているとの事でした。
しかし、単純に「IBM」へという訳に行かないのです。それは、前回の時に「IBM」から「日立」へコンバートした経験がある訳です。これは、グループ会社の成瀬商工(株)の成瀬社長がおっしゃった言葉ですが「コンピュータというものは、嫁さんをもらうのと同じで、気に入らないからと言って簡単に返せないもの」という事がベースにあります。同じようなコンピュータであっても、OSというものが違うのでハンドリングが違っていますし、データやプログラムをコンバートするにも相当なエネルギーが必要になるものです。
ともかく、長期戦を覚悟して、他のお客様を担当することにしました。お客さんの引継という前代未聞のトラブルでも、その中から懇意になったT社さんがあります。自動車用の部品をつくる会社で「上場企業」です。ここのM部長という方はユニークな方で、今でも鮮明にイメージが残っている方ですが、ある日、IBMがThinkPad555というパソコンにインクジェット・プリンターを合体させた機種が限定xx台限りxx万円という破格値を流して来ました。このニュースを1枚のブレティンにして担当のお客様にFaxで流したのです。これにM部長が飛びついた訳です・・

<<Back  |  >>Next