すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第93話 「関連会社で営業経験!」A・・とんでもない会社に!

こんな具合に比較的順調に再就職ができました。大阪情報システムという会社とは、長いつきあいですから、知った顔も多くいるので、再就職先という意味では一番ストレスが少ない所でもありました。この会社は、IBMの特約店をしている部隊と親会社の情報処理を中心に他社のソフト開発も手がける部隊の2つに分かれていました。当初、私の希望では、お客様との出会いの多い特約店の方でしたが、実際には、情報処理の部隊に所属することになりました。
ここで、ひとつの誤算が生じました。それは、「営業」とか「改善」という仕事との出会いの場が少なくなった事であります。実際に、9月中旬に初出社したのですが、場違いな雰囲気の中に入れられたのです。これには事情があって、実は、特約店部隊を分離する話が裏側で進んでいたのでした。10月になると、いろんなルートで「分離」の話が聞こえてくるようになりました。「そんな筈ではない!」と心の中で叫びましたが、現実には、ドンドン進んで行きました。
とうとう12月末に、正式に「分離」という発表になりました。「分離」と言っても別会社にするというのではなく、部隊全体をどこか他社に引き取ってもらうという事でした。幹部連中は、IBMを仲介して他社に話をもちかけたのでしょうが、12月末現在では、引き受け手がなかったのです。こんな厳しい中で、特約店部隊の全員(約60名)は「解雇」ということになったのです。まぁ、そんな事情ですから、下手をすると2度目の退職という事態になりかねない事情だったのです。
「運」というものは、モノの見方によって左右するものですが、ともかく、よい方であったのでしょう。自分としては、割り切れない気持ちでいました。懇意にしていた人たちが退職して行き、お客さんとの出会いが少なくなるのですから、自分の新しい可能性を試す機会が薄れて行き始めたのです・・

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