すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第80話 「TAOーOMEGA」・・営業マン・直接改善C
ハガキ作戦で効率化!


ともかく、小嶋君に成果が出てきて、私との間に「信頼」関係が生まれてきました。こちらのトンチンカンな質問にも嫌な顔をせずに答えてくれるようになりました。人の気持ちを「つかむ」という事は、意外に簡単なのですね・・禅に「4つの般若」という言葉がありますが、これは、世の中を上手に生きて行く知恵として「布施・愛語・同事・利行」の4つがポイントだとしていますが、この場合、「利行」(相手にメリットを与える)だった訳です。
同様に、小嶋君の場合、お客様に接するときに「売ろうと思わない」で、「愛語」(相手の事を思って声をかける)がポイントだったのですね。小嶋君は、「車検」を切り口にする事でお客様の信頼を勝ち取ったのです。これは、「同事」(相手と同じグループになる)という作用、すなわち、自分に代わって「車検」の世話を焼いてくれるということにもつながった訳です。こんな場合は、お客様は少々の価格差を問題にしなくなりますね。
こんな訳で、小嶋君は、結構、忙しくなってきたので、今度は、もっと効率よく成果をあげる方法を考えようとなりました。私は、コンピュータのデータを活用する方法を提案しました。それは、毎週水曜日に「車検」のお客様を10件リストアップして、DMハガキを送る、そして、金曜日の晩にテレ・フォローしようという提案でした。彼は、少し吃音症があるので、初めてのお客様に電話するというのは緊張度の高い作業でしたが、やって見ようという事になりました。
これは、大いにヒットしました。ともかく、「手作りのハガキ」を10枚送付し、それが着いた日位に電話フォローするので、家の方々も覚えていて下さり、「昨日、差し上げた車検ハガキについてお電話しています」と切り出す方法で、小嶋君は、土・日に平均3名の来店を勧誘できるようになりました。車検か代替かは決まっていないのですが、確率のよい電話フォローになりました。

<<Back  |  >>Next