彼は、約束通り実行してくれました。ある日、電話がかかってきて「2台売れました!」と弾んだ声で話してくれました。これは、彼が「車検」にターゲットを絞って、再度、訪問活動を再開したところ、ある奥さんが「あなた、熱心ねぇ!よく顔を見かけるよね。旦那に車検を受けるか聞いてあげる」という風に話が進んだそうです。この奥さんが旦那さんに話をしてくれたら、気に入ってくださり、さっそく、次の日曜日にアポがとれました。
伺って見ると、ご主人は、「車検か代替かと迷っているのだが」という話でした。彼は、先ず「車検」をお薦めしました。「車検」に必要な概略の見積書を提出すると旦那さんが「やっぱり、乗り換えようかな」とおっしゃりました。そこで、彼は、お客さんはスプリンターを乗っておられるので、同じスプリンターがモデル・チェンジでよくなっているとお薦めしたそうです。従来なら、一方的に彼の売りたいチェイサーを薦めていたのですが、それを押さえて、スプリンターの良さをトクトクと話したのです。すると、お客様は彼の姿勢に感動して、結局ワンランク・アップでチェイサーを買ってくれた訳です。さらに、驚いたことには、この話を会社でしてくださって、同僚の方も紹介してくださって、同じチェイサーを販売できたとの事でした。
また、彼の車検台数が急激に増えたので、感動したサービス部員からお客様の代替の紹介がくるようになったのです。サービス部員からの紹介は、お客様が自社のファンなので商談がスムーズに進みやすいものです。彼は、すぐに月6台という同期生の水準に達することができました。
このポイントは、「CRカード」を車検期のモノだけに絞った点とお客様の今乗っているくるまと同等の車種・・「スターレット」や「スプリンター」・・を薦めるようにした点であります。自分が売りたい高級車「チェイサー」を前面に出して営業すると対象のお客様が少なくなってしまう訳です。「売りたい」気持ちが、今までは勝ちすぎて、「チェイサー」の押し売りになっていたのです。これでは、月間、月に1500件も訪問しても結果につながらなかったという理由が判明したのです。
|