すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第78話 「TAOーOMEGA」・・営業マン・直接改善A
「車検」をとれば「新車」が売れる!


小嶋君は、少し吃音癖があり、緊張すると「??ちがう!」などと詰まるのです。その真摯な話ぶりから判断すると月1500件の訪問件数もウソではなさそうに思えたのです。そこで、私は、「小嶋君、君の売りたいクルマは何か?」と聞いて見ました。彼は、即座に「チェイサー」と答えてくれました。チェイサーは、当時の取り扱い車種で最高級の車種です。確かに、販売マージンも多いので、これを売りたいという気持ちは理解できるのですが、現実とのギャップが大きいのです。そんな意識が、月1500件の訪問でも1〜2台という結果になっていた訳です。
私は、「今、一番売りやすいクルマは何か?」と問いますと、彼は、返事に窮しているのです。私は、「スターレットはどうか?」と聞くと「軽自動車より安いので人気がある」と答えました。確かに、リッターカーというジャンルでは、ダントツで60%程度のシェアを持つ人気車種なのです。ついで、「君にとって、使命は何か?」と聞きました。これには、「クルマを売る事です」と自信をもって答えてくれました。しかし、ひとつ足りない点があるのです。それは、「売るという事だけでは、お客様を作ったことにならず、リピートしてこそ真のお客様になったことになる」と話ました。
彼は、意外に素直に聞き入れるようになりました。「リピートするという点では、小嶋君ができることは何か」と聞きました。これには、なかなか答えが出ないのです。実は、「車検」というのがキーなのです。ご存じのように、「車検期」になると、車検を受けるか乗り換えるかという分岐になるのです。私は、「よく売れる人ほど車検が多いだろう?」と話を向けました。彼は、頷いてくれました。
ポイントは、「車検」というタイミングだったのです。
そこで、結果を出す「CR作戦」を考えました。それは、「車検」のお客様カードだけに集中して営業活動して、車検を受けるか否かをまず聞いて、乗り換える意向があるなら、その上で、新車の話をするという手順にしました。また、この時には、同じグレードのくるまで話をするという事や、奥さんのクルマには「スターレット」が一番であるとPRするなどのルールを決めました・・

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