すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第77話 「TAOーOMEGA」・・営業マン・直接改善@
小嶋君に出会う


こんな風に、トヨタの平野係長や横井主任そして自社の門田主任の「情熱」で、営業所のサービス改善が進みました。トヨタは、SI(Service Innovation)というスローガンを掲げていましたが、門田主任は、うまく展開してくれました。ドンドン、改善が進んで行き、殆どの営業所で「SI」が進んでいきました。
しかし、トヨタの方々は、営業所の改善は、ここまで終わりたいと言い始めたのです。その理由は、幾つかありますが、彼ら自体、販売を経験していないのも大きな点だったようです。その他、新車販売は、地域性・独自性が強いので、統一した手法という訳に行かないのも理由だったようです。
これでは、仕方ないので、これは、自分でやると決めました。私は、その時まで、ずーっと内勤畑で育ちましたので、「営業」というものは「未知」の体験でした。その未知の体験である「営業」マンの指導する訳ですから、自信があるかと問われれば、最初は、「無い!」というのが本音でした。
トヨタの方々は、「SI」を推進しながら、私に、「栩野さんなら、できるよ!」と励ましてくれましたが、内心は不安でした。
しかし、私には「システム」という「武器」があるので、システムで「情報」をメイクする方法で改善指導することにしたのです。早速、懇意にしていたK所長に電話して「モデル」になってもらうように頼みました。彼は、快く「OK」してくれて、営業マンの小嶋君を候補にあげてくれました。早速、会ってインタビューのアポをとって行ったのですが、最初は、スッポかされるケースがありました。営業所の同僚たちが非難ごうごうとするのですが、彼は、お客様との都合でアポに間に合わなかったと弁明しました。追求しても仕方ないので、次のアポをとりました。今度は、会ってくれたのですが、「自分は、何もサボっている訳ではない。一生懸命に頑張っている」と主張して、話がなかなか噛み合わない事態が続きました。
彼は、入社3年目で、同期の人たちの平均販売台数は、月平均6台というレベルに達しているのですが、月に1〜2台という低迷ぶりでした。コンピュータから出る「CRカード」の消化件数は、月に1500件にも及ぶ量をこなしていました。同僚たちは「ウソだ」というのですが、彼は、まじめに訪問していると繰り返すのです・・らちが開かない・・

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