すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第72話 「IBMのSISプロジェクト」E・・方針管理とコンピュータ

「経営企画室」として「方針管理」をシステム化した中で最大の効果は、全社オンライン・システムで入力された営業所のデータを毎週日曜日の晩に一括処理して「重点項目ランキング表」を作成したことです。これを翌月曜日の朝に開催される「会議」に提出する「できたてホヤホヤの資料」でありました。
このシステムの効果は絶大だったと誇りに思っています。その中でも「新車販売の台当たり割賦手数料」という項目は、驚異的でした。このシステムを始めた時は、平均が約5万5千円程度でしたが、システムで毎週々々「ランキング」として発表されるので、最下位になりたくないという「競争心理」が機能して、例のQCサークル活動と連動して「割賦販売」を推進するというテーマになりました。
その結果、驚くことが起こりました。まず、直接の割賦手数料は一挙に約13万5千円になり8万円もUPしました。年間1万台を販売する会社でしたから、8億円の手数料収入が増加したことになります。これと連動して「台当たりの販売価格」も150万円台から200万円を超えるようになり、50億円の売上UPであります。
これらは効果が大きいものです。それにしても「バブル時代」とは言え、バカでかい効果が出たものですね・・人間の能力には限界がないと思いますが、システムでウオッチングして「競争原理」を働かせる醍醐味を実感しました。

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