すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第67話 「IBMのSISプロジェクト」@・・「JAD」を経験する

実は、IBMからも色んなことを学びました。その一つは、昭和63年の成瀬特殊木材鰍ウんで「JAD」(Joint Application Designの略:改善系の手法)という手法を体験した事であります。これは、同社が「SMS」というコンサルタント会社と契約して、ご指導を受けていたのですが、次期システムにIBMのAS/400を推薦する当方と同コンサルタント会社が推薦する「日立」のコンピュータとのコンペになっていて、IBM陣営が苦戦した為に「打開策」として提案したものでした。
この「JAD」は、大型機ユーザーでは「CPS」(Customer Planning Sessionの略)と呼ぶ手法の簡易版でした。「JAD」は、販売するオフコンの金額が小さいので、「CPS」のように本格的に取組んで行なうのではなく、効率よく問題発見する手法として開発されていました。方法は、メンバーに事前アンケートをお願いして、そのヒアリング調査から入り、IBM側が個々の問題の概要を把握した上で、集合セッションをもち一気に解決策を模索する方式でした。事務方のワークは大変ですが、効率がよいのは事実でした。このまとめとなった「提案書」で、同社の現状・問題点・そのキー要因・解決策・担当者・期日などを列挙した総合的なものでした。
これは、成瀬特殊木材鰍ノとっては、貴重な資料となったのは言を待つまでもありませんが、残念なことにIBM陣営は勝てずに日立を導入されました。後で、また、IBMに戻っていただくのですが、コンサルタント会社は「生産管理システム」を楯にして導入を迫ったのですが、結局、従来の我々が開発した「販売管理システム」を日立版(COBOL化)に焼きなおしたことで止まっていました。・・後で触れます。
ともかく、「JAD」という「問題解決手法」を体験し、自社でもやってみたいと思っていました。こんな気持ちをくすぐる提案がくる・・

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