すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第65話 「経営企画室」G・・それでも、ラインが張っていない!

我々の素人目では、「ライン化」されたように思い、トヨタのJIT方式が取り入れられたという満足感でイッパイでしたが、平野さんや横井さんの感想は、「ラインに緩みがある!」という指摘だったのです。各工程の作業平準化がうまく出来ていないので、前工程が押し込んだり(前の人が、次工程に移動させる・・JIT方式では、後工程引取りが基本)、遊んだりしているのです。
我々が見れば、なんというチーム・プレーの素晴らしさだと思うのですが、「ムダとり」の専門家の目では、それは「異常」に写るのですね。さすが「プロ!」と叫びました。その他のサブ・ラインとの連係などもサイクリックではないという指摘を受けました。計画の精度を高めないと要員がイレギュラーな動きばかりするようになり「乱れる!」と言うのです。
幸いコンピュータによる「山積み」システムで「平準化」という基本線は守られていましたので、各作業の見積負荷の精度をあげる習熟化がキーポイントになりました。いろんな準備作業は、コンピュータから各種のデータが手配されるので、残るは、現実の人間による「作業」の標準化・平準化ということがキーになりました。
時間とともに、ともかく、現場の方々が習熟度をあげて、それなりの成果が出るようになりました。
後は、実際の営業所での滞留時間を短縮することが課題になりました。

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