すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第62話 「経営企画室」D・・トヨタの改善にはコンピュータを使用しない?

今回の「物流改善」は、トヨタの販売5チャンネルで各系列1社ずつモデル店に選び、そこで、規模や地域性に応じた改善事例を作る狙いがあったようですが、トヨタの当初の目論見では、伝統的な手作業を中心とした「整流化」が本命であり、当社のようにコンピュータを使って「整流化」しようという話は想定外だったようです。
新物流センターは、10月に完成予定だったので、すでに、大方のオンライン・システムが立ちあがっている予定だったので、当方は、一統最初からコンピュータ利用を考えていました。ところが、トヨタの方々は、コンピュータは「まずい!」と言い切るのです。ここで、情報の「整流化」で基本的なスタンスの差が生まれました。
随分、トヨタ内でも議論したようですが、最終的には、「オート大阪には、コンピュータがあるのだから、それを使っていいのではないか」という結論だったようです。「情報」を整流化するというには、いろんなルールが必要になります。そのルールの徹底には、「システム化」が一番なのですが、一般的に、システム設計が表面的になってしまい、運用を始めると現場では「混乱」する事が多いのです。その結果、システムの改善が追いつかずに「陳腐化」して、使われないコンピュータ化するケースが多かったようです。
我々には、コンピュータ、しかも、全社オンラインシステムが稼働する訳ですから、当然の結論だったと思いますが、トヨタのコンピュータ・アレルギーには再度ビックリしました。

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