すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第60話 「経営企画室」B・・さすが「複眼」のチェック!

我々は、平成元年4月に、トヨタの物流改善プロジェクトの立候補を行いましたが、まず、O課長が来店し「トヨタ内でオート大阪がモデルになるには、反対意見がある」と言って帰りました。それから、1週間ほどしてT課長が来社されました。この時も、私が担当して社内の案内などをいたしました。
T課長は、「物流センターを立てているのだから、それなりの構想があってやっているのではないか。それでは、トヨタが手伝いする必要がないので、もう良いのではないか」と切り出したのです。これにも、大いに「びっくり」しました。私は、超楽観的な人間なのでしょうか、O課長の話があったのだが、T課長が変わってくるというのは、すでにOKが出たものばかりに思っていたのでした。
困った私は、O課長の時と同じく「責任もってプロジェクトを進める」という覚悟を話ました。何度も、押し問答になりましたが、その度に、私は「オート大阪の繁栄のために物流改善のノウハウをつかみたいのだ」と熱く話しました。この「熱意」に動かされたのか、T課長が帰って、すぐに正式に「物流改善」を始めるという通知を頂きました。
O課長は、当初、U氏からの窓口で当方と折衝したのですが、「正式な要請状」がスピーディに届いたものだから、部署内でコンセンサスをとる暇がなかったようです。O課長は、行きがかり上、当方に「NO」と言えないので、部署で反対する側の代表者であるT課長に再「調査」という形で、我々の意気込みなどを再認識させる配慮があったように思っています。それにしても、さすがトヨタですね、「複眼」でチェックして判断したようです。

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