日本生命さんのプロジェクトに約3年間も参加できました。最先端企業のシステム開発のエッセンスを体験する貴重なものでした。このプロジェクトから学んだことは、たくさんありましたが、その1つに、バックアップにとる8mmテープ磁気記憶装置の故障率を検証する作業でした。作業は、日本生命の一室に10台ほど納入されたIBMシステム36に付属する磁気テープ装置に8mmテープを設置して、SAVEコマンドでバックアップを起動させる単純な作業でした。
これを延々と繰り返して、故障やトラブルが発生したらCE(IBMの修理係り)に報告し、その時の状態を保全する作業でした。日本生命の主張は、1台しか使わないユーザーならコンマ1の故障発生率は、例えば、3年間で1回という計算になるが、我々は2000台を全国展開するので、毎日、2台がどこかで故障することになるのだというマスの論理でした。
作業自体は単純作業なので、何故、我々が担当しなくてはならないのかと思うほど、単純でつまらないものでしたが、この発想は新鮮でしたね。「マスの論理とは、こんなんだ!」と共感しましたね。これは、小さな企業に勤めていると先ず出会えない発想でした。
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