すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第47話 「システム開発室」G・・QCの小道具が役立つ

日本生命さんが創業100周年になる記念のシステム開発をIBMが他メーカーと競争して勝ち取ったプロジェクトがありました。このプロジェクトは、全国2000箇所の支店や営業所などにIBMシステム36を導入して、APPCという当時最新の通信手順で、このオフコンと本社の基幹システムと直結しようとするものです。
このプロジェクトに参加するきっかけは、IBMさんがあるユーザーさんに納めたパッケージ・プログラムが大トラブルでSEさんが不足していたという裏事情が絡んでいました。日本生命さんは、独自の設計書(ユーザーがカンタンに記入できるように改造したもの)を作っていて、それを、展開して画面や印刷プログラムに仕上るというものでした。これは、先のQCの小道具がピッタリなので、我々に開発依頼がまわってきました。
このプロジェクトは、週に3日ほど日本生命に覗って、IBMのSEさん・日本生命の担当者と打ち合わせて、それを持ち帰って製作納入する方式でした。このプロジェクトは、私と成瀬商工鰍フ木村さんとペアを組んで担当しました。2人であこがれの淀屋橋にある日本生命の本館に訪問して、主に、打合せは私が行い、開発は木村さんにお願いする方式で進めました。
木村さんに当社の小道具を説明し、実体験してもらい、ついで、日本生命の「画面ジェン」(画面ファイル・ジェネレートの略)をバッチ展開してもらいました。仕組みは、設計書コードを判別して、そのロジックでRPGUのファイル設計に組みなおす作業であります。これは、単なる「力作業」なので、すぐに開発納入しました。

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