すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第45話 「システム開発室」E・・特殊なシステムの改善屋

こんな具合でIBMの世界で「難問解決」の評判が広まり、困ったシステムの改善を依頼されるケースが多くなりました。今、当社のお客様である潟Rムウエル・フジサワさんのIBMシステム36導入にも関係しました。これは、昭和60年・・阪神タイガースが優勝した年なのでよく覚えています。問題は、本社(東大阪市)と東京支店をパケット通信でオンライン処理するのだが、想定している通信費より3倍程度かかるという問題でした。テックさんという特約店のSEさんが設計していたのですが、ニッチもサッチも行かない状況なのです。
この通信の問題は、我々は初めてパケットという方式にチャレンジするので難問でした。専用線というものでのテクニックは「部品オンライン」で実績があるのですが、ある伝送単位でのやりとりがパケット通信なので、この勉強から始めました。1パケットで効率よく伝送する方式・・ムダな画面情報を排除、全データを一括処理で行なう、OKになったらクリア処理と伝票発行、などプロセスを追いながら1パケットで送信する方法を考えました。
その地道なトレースで分かったことは印刷プログラムが多数のパケットを送っていることでした。
ヘッダー部、ディテール行、改ページ制御などです。これらをできるだけパケット数を少なくする方法を考えましたが、最終的には、伝票発行は必要なので行なうが、管理帳票は日報処理でまとめて行ない、しかも、行数を少なくするという方式で、月額36万円を20万円を切る状態にまで改善しました。

<<Back  |  >>Next