すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第41話 「システム開発室」A・・成瀬特殊木材括@

第33話で我々の初めてのお客様が成瀬商工(株)であった事をご紹介しています。この関連会社に、成瀬3兄弟の三男さんが経営する「集成材」の「階段メーカー」である成瀬特殊木材(株)さんがあります。ここは、成瀬商工(株)のコンピュータとオンラインで結んで経理システムや給与システムなどを稼働させていました。
昭和59年に、我々がIBMシステム36機を導入する事が決まったので、それまでのIBMシステム34機を成瀬商工(株)が廉価で買い取り、それまでのIBMシステム34機を成瀬特殊木材(株)に移設することになりました。と言うのは、当社のシステム34機はCPUが256KBでDiskが256MBなのに対して、成瀬商工(株)さんのものはCPUが64KB、Diskが64MBというスモール・サイズだったのです。4倍のDisk容量は魅力だったと思います。
この移設したシステム34機で階段メーカーの販売管理システムを我々が開発することになりました。何せ、Diskが64MBというサイズなので、システム設計に苦労いたしました。普通なら、レコード・レイアウトにヘッダー部とディテール部を両方持たせるので、1伝票6行とすると6件のレコードができるますが、6件のうち5件は同じ内容のデータなので、不要なヘッダー部が含まれているというものです。一般的に、256バイトの設計していましたので、Diskに無駄を共用していました。
我々は、ヘッダー部を1件書き出し、それにディテール部を必要数書き出すという方式、しかも、64バイトで設計すると言うものでした。例えば、1伝票が6件のデータだとすると、256x6=1536バイトに対して、64x7=448バイトと実に3。4倍の効率性を出しました。この効率のよいシステム設計はお客様に大歓迎されましたのは、言うまでもありませんが、この設計に思わぬ落とし穴がありました。・・

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