「C80システム」のCはチャレンジで、80は1980年代という意味のネーミングと聞いていました。しかし、当時のトヨタの想定価格とメーカーの提供価格のギャップがあったのでしょうか、80年代の半ばになって展開が始まる状況でした。ここでも、トヨタのコスト意識の片鱗が伺えますね。
私は、一番評価したのは「守り勝ちのトヨタ」を実践する営業所のサービス・システムを最初から取り入れたことでした。大都会は、トヨタの販売店も1系列に複数があるなど、激戦区である訳です。大阪では、販売店がトヨタだけで12社、全メーカーを合わせると80社以上があり、新車販売で凌ぎを削っているのですが、地方ではトヨタ5系列で5社しかなく、それも、資本的には1グループか2グループという状況なので、身内同志の競争は言うほど厳しくなく、どちらかというと修理に力点をおいている企業が多いのも事実でした。
したがって、都会のディーラーの悩みは「新車販売」にあって、「修理」という面は2の次だというのが本音でもあったのです。私は、この辺の事情で「C80システム」がシステム化を助けてくれる「真打ち」だとは思いませんでした。しかし、地方のディーラーが修理に力点を入れている事情、そして、その結果、車名ロイヤリティが高い(例えば、コロナのユーザーが次にコロナに代替する)という事実も学びました。この「守りの哲学」がトヨタのシェア40%を支えていて、都会では、それが苦戦するのも学びました。
大学時代に「マルコフ連鎖」を少し学びましたが、この車名ロイヤリティや自社社防衛率の高さが、シェアUPの要因であり、営業力で攻めまくっても築けないことを学びました。・・これは、現在のコンサルティングの基軸になっています。
|