さて、社外の仕事をするようになったが、社内の仕事を放り出す訳には行かないので、次々と開発を続けました。特に、圧巻だったのは、「経理システム」の開発でした。それまでは、バッチ処理で各種統計表を作成していたのですが、それらを「オンライン」化することになったのです。これは、別に、時間的な問題だったのですが、ともかく、社外を始めることがきっかけになりました。
私は、関西学院大学の商学部を卒業していますが、実は、簿記・会計が大嫌いでした。というのは、高校時代は理科コースであったからです。従って、商学部に入学しましたが、統計学・ORのコースに進みました。卒業論文は、理学部のコンピュータを夏休みに使用させて頂き、販売と在庫の乱数表を作成して、その乱数発生のパラメータを変化させて、乱数表が出す「販売」と「仕入」を1年365日シミュレーションさせるものでした。
このように、簿記・会計を最低限で済ませて卒業したのです。もちろん、最低限の知識はありますが、コンピュータのシステムを作成できるほどのものはありませんでした。しかし、よくしたもので、第29話でご紹介したシステム23という機械に会計システムのパッケージでありました。このパッケージのマニュアルを例の情報子会社から入手して、これをリバースすることにしました。
ともかく、振替伝票を入力し、日計表、試算表の作成を行いました。勘定科目も右・左と言い、プラスかマイナスかしか考えないでも貸借がキッチリ合うものですね。・・経理部長も「お見事だ!」と評価してくれて、めでたく本稼働しました。
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