とは言うものの、今まではANK(アルファベット・数値・カタカナ)の世界(半角)でしたから、マスターレイアウトもそれに合わせたものになっているので、急に、「漢字」と言われてもカンタンには、採用できない事情もありました。確かに、カタカナで氏名を印刷しても「翻訳」しないとその人の顔が思い浮かびませんが、漢字だと翻訳なしに「顔」と一致するのは事実です。例えば、「ヤマダタロウ」と「山田太郎」の違いはハッキリしますよね。この辺が分岐点となって導入を決めたのです。
しかし、困ったことにレコード・レイアウトに余裕が余りないのです。品名とか氏名を漢字化するだけで良いのですが、「全角」の文字にシフトサインを挟み込む方式なので、本当にエリアを確保するのに苦労しました。IBMの機関誌に「REVIEW」というのがありましたが、その88号で私の「漢字処理」につての論文記事が載っています。(実はシステム32でもREVIEW62号に載っていますが・・)
このREVIEWを読み返すと比較的スペースがあったので「品名」や「氏名」などの漢字エリアを取ることができたと書いています。付随する「住所」などは、別に「住所マスター」化していましたので、それで解決し、それ以外は、索引つきマスターで必要な時に補足する方式をとっていたとあります。ともかく、必要なことだけに止めました。
もちろん、新規は全て漢字処理化しましたので、問題はないのですが、古い「ユーザー」情報などを遡って漢字化するのは大変なので、例えば、ユーザーの漢字情報は、先ほどの別索引マスター化して、基本は従来のカタカナを基準として、1件処理する毎に別索引マスターを参照して存在すれば「漢字」に置き換えて印刷するという処理プログラムに変更しました。「必要は発明の母」と言いますが、なければ従来のカタカナ、あれば漢字で印刷するシステムというのは、我ながら、柔軟な発想だったと思っています。
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