すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第24話 「漢字処理化」A・・初期の漢字入力

昭和55年くらいから国産機は「漢字処理」を前面に打ち出してきました。新聞社の校正処理がコンピュータ化したのが「ブレークスルー」になったのでしょうが、ともかく、漢字表現が一般のコンピュータに波及してきました。我々が漢字システム化した時は、すでに基本が出来上がって、文字の1つずつに漢字番号がふられてありJISコード化されていました。もちろん、2バイトで1つの漢字を表現するという「全角」というのものでした。また、IBMコードもふられていましたが、IBMは、JISコード方式も採用していました。
ところが、我々が導入した漢字システムは、漢字入力方式がユニークな方式だったのです。IBMは、日経新聞社の印刷校正システムで漢字化した実績がありますが、そのまま、一般化したようです。一つのキーに3x4の12文字の漢字があり、そのマトリクスに対応するキーと同時にキーインして入力する方式で、JISの第1水準の漢字(約2、500文字くらい)が直接入力できました。それ以外の第2水準の漢字は、漢字コードをキーインしました。
IBMの苦しい言い訳は、他社はローマ字変換方式を採用していましたが、今のように連文節変換の機能が低く、該当文字がズラッと出るので何回もスクロールして選択しなくてはいけないが、IBMの第1水準の直接入力は95%以上をカバーしているので、ダイレクトで早いのだと説明していました。
しかし、その後のシステムでは例の渥美清さんのPRで一躍有名になったIBM5550というパソコンが端末として使えるようになって「ローマ字変換」になりました。パソコンで漢字処理するので、本体のコンピュータに負荷がないので・・などと苦しい言い訳も聞きましたが、やはり、「ローマ字変換」がベストだったというのは、後の歴史が証明していますね!

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