すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第23話 「漢字処理化」@・・ドット化されて実現

今では、日本語処理が当然になっていますが、コンピュータ発展段階の初期では考えられないものでした。コンピュータはフォン・ノイマンという人が考案したと言われますが、その基本は、8ビット(ビット:0か1かというデジタルサイン)で1文字を表す形式であります。2の8乗通りの表現、すなわち、256文字を表現できるものです。
当時は、ANK(アンク)と表現しましたが、A:アルファベット、N:数値、K:カタカナを意味しています。ライン・プリンターという印刷機は、最初は、このANKの文字セットを入れたベルトがグルグル回転して、ハンマーで打つという方式でした。ANK96文字セットというのは、カタカナを加えた代表的なセットでした。一番最初のシステム32機は、この文字セットで、1行132文字を1分間に120行印刷するというものでした。
その後、ドット方式のプリンターが出現して、印字スピードも格段に速くなりましたし、何よりも文字をドットで表すという事が画期的でした。しかし、当時は、16x16ドットというものや24x24ドットいうものでした。文字のドットが読めるシロモノです。何千万円もする印刷機が、こんな状態だったのですよ・・今の1万円のインクジェットと比べると隔世の感があります。
しかし、このドット化が「漢字」表現を可能にしたのです。当時は、ワープロも1台100万円する時代でしたから、コンピュータの漢字化がようやく可能になったと言っても不思議ではありませんでした。IBMの漢字システムを昭和56年に導入しました。

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