このように、先行する大型店のシステムに追いつくようになりました。従来は、他社が送付する「DMハガキ」で自社のお客様を攻撃されていました。これを顕著に示すのは、「無料点検」の工賃精算であります。お客様には「無料」なのですが、実は、「工賃」がかかるので他社で実施されると支払う必要があります。当時は、月に800台程度販売していましたが、その内の10%位が他社にとられていました。
口惜しいですよね・・実際に苦労して販売したクルマが、他社がVICS情報で見つけて「無料点検」という段階でアプローチされるのは、本当にたまりません。お客様は、「無料」なので、同じトヨタなら近い方が良いという訳でカンタンに行ってしまう訳です。営業は何をしているんだと言っても自社からも「DMハガキ」を出しているので安心している訳であります。
この敵討ちという訳ではないのですが、VICSデータを導入する時に「マイエリア」(営業所から半径2Km以内)という構想を打ち立て、この「マイエリア」内でシェア1番になろうという方針でシステム設計をいたしました。住所マスターに「マイエリア」コードを附番して、メンテナンスで送られてくるVICSデータの新規分と突き合わせる作業をいれました。
この処理で出来た「マイエリア」データで、全て「無料点検」のハガキを送付した訳です。そうすると月に80台分位他社に支払っていた「無料点検」が、他社マイナス自社が逆転して、逆に60台分くらい余計にもらうようになった訳です。例えば、4000円とすると月に24万円ということになる訳です。十分にVICSの費用が出ることになります。
こんな具合になって、とうとう、他社がトヨタに泣き付いて行くという事態になった訳です。今まで、自分達がやっていた時の事を棚上げして、紳士協定で取りやめになりました。月24万円の収入はなくなりましたが、他社がアプローチしなくなったので、支払いもなくなりました、逆に、もっと得した勘定になったのは、言うまでもありません。
北朝鮮ではありませんが「武器」がないと攻撃されても反撃しようはありませんが、「武器」を持つと対等にビジネスができるようになる訳です。「武器」ですよね・・。
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