すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第18話 「VICSシステム」@・・念願の登録情報データ入手

昭和55年は、画期的な年でした。「新車在庫管理システム」で経理課長から感謝される・・しかも、年間1億円も金利が稼げるという具体的なものでした。また、「部品システム」では、大型コンピュータと同じ性能を発揮するシステム構築やファックス・ネットの充実で省力化が進んだという事実に基づく感謝の言葉を頂きました。
しかし、本当に「やり甲斐」のあった仕事は、約30万件という「登録情報データ」(VICSデータ)を保有することでした。第5話でご紹介したように、昭和51年にトヨタ自販にVICSデータを持ちかけて断られた経緯がありましたので、「苦節4年」の快挙であります。トヨタ自販の担当者も変っていて、すんなりと了承してくれた訳です。
私の勤めた会社は、大阪府下の40%程度の市場をテリトリーする会社でした。大阪府下全体では、市場データは約200万台になるのですが、テリトリー内のトヨタ系データのみという事で約30万件の保有管理でありました。トヨタから月に3回磁気テープで送られてくるVICSデータ(新規・異動・廃車のデータ)を外注先でFPD化して処理する訳です。
大型機をもっている他社は、磁気テープ装置を持っているので、バッチ処理でデータメンテナンスして磁気テープに保管しているケースが多いので、1件のデータを照会するという事でも、磁気テープをシーケンシャルに読ませてマッチングするデータを書き出すという時間(準備からすると1時間くらいかな?)のかかるシステムが殆どでしたが、当方は、磁気テープ装置がないというデメリットが逆にメリット化・・実はリアルタイムにレスポンスが出るというシステムになったのです。この「リアルタイム」という処理が大きな成果を生み出すことになるのですが・・。

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