部品のシステムは昭和55年の6月頃から開発に着手して、年内に完了することができました。これで本社機能と守口市にある物流機能がコンピュータのオンライン・システムで連結されるようになりました。コンピュータの威力が発揮し始めました。こうなると全拠点をネット化したシステムを構築したくなるのが人情ですが、費用の面でも大変だったのです。
ところが、昭和56年になると、富士通さんがFF700というファックス機発売すると売り込んで来ました。この機種の謳い文句は「9秒伝送」でした。仕掛は、送受信するデータをFPDに一端書き込んでから実際の処理するというもので、着信と印刷が機能的に分離した機種としては初めての機種だったと覚えています。この機能は。いまやメモリーに置き換わって普通のものとなっていますが、FPD化(データ化)したことにより伝送時間が短縮されて、従来の印刷と連動した伝送と比較して話中ということが少なくなっていました。
このファックス機は、当時、実購入価格で1台150万円くらいしましたので、全拠点に導入するケースは本当にレア・ケースだったようです。この時の殺し文句は、「Faxはコピーしてから伝送する」という言葉でした。当時、営業所にコピー機を入れていましたが、このレンタル費用をFaxにあてようという発想です。我ながら、よくこんな発想ができたものと思います。従って、感熱紙を使うタイプではなく静電記録方式というコピーと同じ形式のものを選んだ訳です。
ともかく、Faxが導入されると「部品課」は様変わりしました。従来は、営業所からの注文を電話で聞き取って「受注メモ」を作成して、それを、オペレータが入力する方式をとっていましたが、「受注メモ」を営業所に持って行き、それをFaxしてもらうので「受注係」が不要になったのです。2人ほどは確実に不要になりました。
部品課長から「オンライン」というと友人から1年くらいは大変な目に会うぞと言われていたが、何の混乱もなくスタートできた上に、ファックスで受注できるようになって、本当に「省力化」できるようになったと感謝されました。
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