ともかく、ドタバタしましたが、無事に「新車振り当て管理システム」が昭和55年の4月にスタートしました。最初は、少しトラブルがありましたが、未然に防ぎながら、1ヶ月で完全に信頼されるシステムになりました。
従来は、車種担当という人が「台帳」で管理していたものが、オンラインで見れるようになりました。「在庫表」というものを打ち出しますと「長期在庫」が一目瞭然になった訳です。システムが稼動した直後の在庫回転日数は約60日というものでした。トヨタ自動車からは45日の手形で購入しているので、15日分の金利を支払っていた訳です。例えば、1000台販売するには、約1500台の在庫が必要になっていましたから、1台100万円の仕入れ原価と仮定すると、15億円なので当時の公定歩合5.5%で計算すると月に約350万円の支払い金利が発生していたのが、システムが稼働して長期在庫を撲滅するようになると、ついには15日で回転するようになったのです。つまり、1台120万円で売ったとすれば、1000台で12億円という収入があり、その金が支払いになるまで45−15=30日というプラス金利、つまり月に約550万円の利息を理論上生み出した訳です。プラス・マイナスでは、約900万円にもなる訳です。
ある日、経理部長のM氏から「栩野君のお蔭で資金繰りが大きく変った」と感謝の言葉を頂きました。計算上ですが、1年で1億円の金利改善は、本当に効果的だというのは理解できますね。
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