すべては「クルマが売れるコンピュータ!」で始まった!
栩野正喜


第55話 「営業所オンライン・システム」B・・思わぬトラブル

ともかく、平成元年の3月に入って、営業所に端末を設置し、NTTのオンライン回線も専用線で9600bpsで構築しました。この状態で、テスト運用を始めると思わぬトラブルが出てきました。それは、アプリケーションを動かしていないのに、つないでいると端末が落ちるという現象が出て来たのでした。
IBMは、最初、オンラインの制御プログラムと判断していましたが、専門のSEがチェックしてもどうも原因が判別できないという状況が続きました。色んな計測装置が続々と持ち込まれて、状況監視して問題解決しようとするのですが、ラチが空かないという感じでした。
しかし、IBMの危機管理は素晴らしいなと思った点がありました。ともかく、時間が経過する度に応援のSEが集まってくるのです。しまいには、和歌山県の白浜でお客さんのシステム会議に参加しているSE課長の所さんが夕方にはかけつけるという仕組みになっていました。さすがに、所課長です。この現象を見て、ハード系トラブルの可能性を言い始めました。9370機は新しい設計の機種で、通信制御をマイクロ・コンピュータ化していたのです。これを見抜いたのです。
この情報をCE側に伝えて、明日、パーツを取り替えるという手順に決まりました。Newパーツの手配も完了して、明くる日を迎えました。早速、パーツを取り替えましたところ、間欠泉のように、時間経過毎に端末が落ちるという現象はなくなりましたが、ある営業所だけ、うまく接続できずに、ポロポロっと落ちる現象は残りました。

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