それは1枚のブレチンで始まった
栩野正喜


第29話 「A社のパートナーネット」D・・横展開を図る!

◆年賀状が届く
平成13年の正月にA社から年賀状が届きました。と言うのは、A社とは、平成9年に「パートナーネット」の立ち上げをお手伝いしましたが、その後は、ビジネスの関係は途切れていました。A社長と当社とのつながりは、月に2回発行する「AMI通信」によるものでした。A社長は、この当社の「Fax通信」を高く評価して頂いていました。その関係で、ひょこっと年賀状が届いたのです。私は、この年賀状を見た途端に「ピン!」とくるものがありました。何かを訴えているという感じでした。「Insight」(洞察力)という言葉が流行っていますが、年賀状から見抜いたのです。
正月休み中でしたが、年賀状にあるホームページを拝見し、充実ぶりを実感したのですが、さらに、「何か」を訴えているのです。メールを送って、一度、お会いしたい向きを入れておきました。というのは、当社のお客様でも2社、このビジネス・モデルに該当する企業があったのです。お客様のルート営業を活性化する方式として、このA社の成功事例は魅力あるものでした。ともかく、休みが明けて、A社長から電話を頂きました。

◆A社とお客様2社が提携する
久しぶりにお会いしましたところ、A社長は、今までの実績をご披露してくださいました。そして、話が一段落して、当方からお客様の実状をお話しました。当社のお客様で同じようにルートを活用する方式を考えようとしても、デジカメなどはどうしても「価格」の壁を越えられない点がネックになっていたのです。また、A社は、前話にありましたように「普及」が一巡して販売台数が低下してきている事情があったのです。この両者の事情ですんなりと提携関係を築くことができました。
A社のバイイング・パワーは、想像以上でした。家電製品は、卸しのマージンが少ない上、このデジカメなどは、さらに少ないという商品でした。だから、A社から当社のお客様へ再卸して流通がなりたつか不安でしたが、地元の卸しから購入するより圧倒的に高い粗利を生むことができました。これは、とくに高額商品でA社も在庫しないものでも、価格ドットコムなどで見る以上の条件で仕入れることができたので、「さすが、A社!」というものでした。

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