月刊AMI Vol.6 12月号 ■△▽●○□

最近感じること・・「価格破壊」と「ビックリ・本物」
筆者は最近スーツを買いました。 「靴」を買いに行ったお店の向かい側で「スーツ15、000円」の横断幕にひかれて覗いてみた訳であります。 

 店員さんがすぐさまアプローチして来て「カネボウ」もあると言う訳であります。 15、000円という価格と「カネボウ」という「品質」にはまってしまい、つい「体型にあうものがありますか」と聞いてみた訳であります。

 筆者をご存知の方は、その理由がよくご理解いただけると存知ますが、お腹がたっぷりと突き出た超肥満体なので「Bサイズ」というものが必要になります。 このような低価格の場合、品揃えから外れるケースが多いものですが、色柄もベンツもシングル・ダブルも結構置いてあり、ますます深みにはいってしまいました。

 「安物買いの銭失い」という格言もありますので用心している訳ですが、ドンドン引き込まれる状況になってくる訳であります。 ついには「価格破壊」も「本物」になったと思いこんで、自分の一着を購入いたしました。 適合するサイズのものでも自分のサイズにカストマイズすることが大切であり、袖とネームそしてズボンの裾を手直しして頂きました。


 出来上がってみると、案外よい物であり、思わずもう一着という気持ちが沸き起こってまいります。 今のところ、自制していますが、ひょっとするアクションしてしまうかも知れません。

 景気が減速していて「価格破壊」組の決算が思わしくないようですが、このスーツの業者にはエールを送り続けたいと思います。 筆者の場合、スーツは10万円と思っていたので、「1万5千円」&「カネボウの生地」という「ビックリ・本物」の条件を兼備した業者の企業努力に敬意を表したいと思います。 

皆さんも「スーツ」が色んなお店で「安値」で販売されていますので、購入された経験もおありでしょうが如何でしょうか。 


こんな「ビックリ・本物」を満たす業者が多くなるように期待したいと思います。



ちょっと役に立つヒント!・・「感動」=「商品」+「非合理性サービス」
「人間力」という言葉をお聞きになった方も多いと思います。 最近のように先行きが不透明になった場合、「リード」してくれる存在が重要であります。

 大きな組織こそこの「リーダーシップ」の有無が重要な要素でありますが、これが意外にもバブル期に強調された「協調性」の要因が大きく残っていて「無」の状態であるケースが多いものです。 

 組織の3層において、「トップ」の「リーダーシップ」が重要である事には相違ありませんが、現場に接している「ミドル」の自発的なリーダーシップ力がこの難局を突破する大きなエネルギーになることはより大きなファクターであります。

 文字通り「中間」に位置して、トップと現場(ロアー)の間に挟まる階層であります。 具体的には「主任」「係長」「課長」などと呼ばれる方で、年齢的には30才代を指すケースが多い訳であります。

 この層へは、本来的には「明日の会社」をつくる改善・改革を推進する事が期待され、上層部に自ら信じる「夢」に対して「稟議」申請し、現場に対してはその実現の為に「教育」指導するという役割があります。

 そして、現場に「目標」として示し、その実践の為に「教育」するという機能を果たし、その上、現実に起こるトラブルに対しては「解決」して「責任」を遂行することが期待される訳であります。 なかなか、大変な役割でありますが、それだけに、元気な「ミドル」の価値が大きくなります。


 現場で指導していて不満に思うことは、営業の場合、このような役割を果たす人になかなか出会わないことであります。 そうだからこそ我々の仕事があるのでしょうが、嘆かわしいものであります。

 その方たちの背景を考えて見ると、バブルが弾けてから長きにわたって色んな経験をされていて、「下り坂」の景気ではどんな「企画」を打ち出してもトップが期待する結果を引き出す事は滅多にないという現実にぶち当たっていることであります。 

 トップも「期待」を持っている訳でありますから、結果に対してつい不満をもらすケースも出てくる訳であります。 例えば、私どもが企画しても、最初の年は30%以上の効果が出ますが、翌年は5〜10%程度に下がり、3年目となると昨年対比でマイナスになるケースが出ています。 

 この時に、トップから失望の言葉が出る訳ですが、これに対して社内の人ではなかなかリカバリーを提案する勇気が湧かないのも事実のようであります。 もちろん、我々も精神的なダメージを大きく受けます。 


 しかし、我々は次の「手」を用意して提案しないことには「仕事」にならない訳でありますから、「経験データベース」の中から具体的なソリューションを探し出します。 この解決策には、必ず、自分たちも何らかの参画をより具体的に織り込みます。

 我々は、「感動」=「商品」+「非合理性サービス」という公式をもってお話するケースがありますが、この「非合理性サービス」を具体的に実践することになります。 そして、それを自ら満足するまで実践するように「集中」しています。

 この自ら「満足」できる状態がない限り、お客様の「感動」はないものだと確信しています。 「さすが・・」とか「そこまで・・」とかと思われることが重要であります。 もし、このような「集中力」を発揮できる社員さんがいるならば「人財」として優遇されるべきであります。

 私どもの役割は、このような「熱血ミドル」育成も含まれている訳であります。 


「思い」を共有して、ワンステップずつランクUPできるように「シナリオ」を書いて、その実践のお手伝いが本来の「仕事」と思っています。



最後に・・「回転すし」と「価格破壊」
最近感じることで「価格破壊」と「ビックリ・本物」ということを「スーツ」で取り上げましたが、これを「回転すし」にも感じています。

 「回転すし」には、「均一価格皿」と「多価格帯皿」、そして、「飲酒主体」という3種があるようです。 最初の「均一価格皿」は「回転すし」の最初の形態であり100円を中心としたお店があります。 

 当初は、「安い」が「ネタはもう一つ」という実感がありましたが、ここでも「価格破壊」が進んで結構満足の行く「ネタ品質」になっています。 さらに「多価格帯皿」のお店では、「でかネタ」と「活けネタ」を「売り」にしているようであります。

 例えば、500円皿では本当に満足のゆく「トロ」や「あわび」などを食することができます。 これなどは旧来のすし屋さんでは「時価」と表示されて、なかなかオーダーできなかったものですが、安心してオーダーでき期待以上の「満足」が得られるようです。

 また、「接客」にも力を注いでいるようで、席にも案内する・オーダーにはひざまづいてお受けするなど「満足」感をさらにUPしてくれます。 

最後に、「回転すし」のカテゴリーを変革する「飲酒主体」の出現であります。酒の種類も多く、オーダーの際に「赤だし」などのおすすめの他に「酒」の提案もある訳であります。

 「皿」にも「さしみ」などの酒のあても多種ある訳であります。 ここまで来ると「回転すし」の「進化」を実感いたします。 「ビックリ・本物」という基準においても旧来の「すし屋」の存在を脅かす、あるいは、越えた存在になりつつあると言えます。 身近な「ビックリ・本物」現象が至る所で出現しています。 


みんな頑張れとエールを送るとともに旧来の方に「変革」を具体化することを期待したいと思います。  

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