<月刊AMI>2023年10月号 Vol.265 ■△▽●○□


1.「縁・運・つき」


右上は本田健著「人生の目的」(大和書房)という本です。
サブタイトルは「自分の探し方、見つけ方」となっています。
新聞の書籍広告で知ったのですが、ふと自問してみたのです。
74才になっていますが「ホントに良い人生だったのか」と。
今更、何が出来る訳ではないですが、身近な所では、子や孫の為や大切なお客様の為にも今一度考え直してみようと思ったのです。

 例えば、若い人は道に迷う事が多いと思うのですが、そんな時に、どのようなアドバイスをしたら良いだろうかと考えたのです。
今のところ上の2人はサラリーマンとして活躍してくれており、三男が一緒に働いていますので安心な状態ですが、もし、彼らが道に迷ったら何をアドバイスしたら良いだろうかと思います。
本当に難しい課題です。

 右下は相田みつをさんの「めぐりあい」という書です。
「あなたにめぐりあえてほんとうによかった。
ひとりでもいい、こころからそういってくれるひとがあれば」
とありますが基本と思います。
私自身は「縁・運・つき」と言っていますが、人との出会いから「縁」が生まれ、その方との関係で発展すれば「運」が開け、その結果が良ければ「つき」があったと言えると解釈しています。

 私はトヨタ系販売店でシステムを20年担当して、その間に3年ほど他社のソフト開発をして、その経験を自社に採り入れた事や、トヨタの物流改善プロジェクトのモデル店になりリーダーをした経験があります。
しかし、何事も順風満帆とは行かず社内の人事で行き詰まり、友人の「人生は1度切り」という一言で関連会社に転職し、その3年間の内に船井総研の客員経営コンサルタント養成学校で「船井流」を自費で学び平成7年(‘95年)担当したソフト開発完了を機に独立起業したのです。

 例えば、第1号のお客様は富士通系のソフト会社の友人から「PL法セミナーを手伝わないか」と声をかけて頂き、同社の若い人と参加者をフォローした中から誕生したのです。
名刺交換できた方に「AMIブレティン」を郵送していたら「うちのコンサルをお願いできないか」と声がかかったのです。
この話を船井総研の講師だった方に相談したら見積の仕方を教えてくれたのです。
トヨタ系販売店時代に富士通系の方との「縁」、その縁で見込客が現れる「運」、さらに阪神淡路大震災の復興需要のタイミングと重なり「Faxマーケティング」が功を奏して僅か半年で年商16億円を20億円に引き上げた成功体験という「つき」があったのです。
まさに「ラッキーも実力のうち」と自信を持ったのです。

 このように「縁・運・つき」が大切です。
貴社との関係もトヨタ系販売店時代に僅か3年間他社のソフト開発したのですが、その間にIBMが困っていた貴社のオンライン通信料が提案の反対に倍増した案件があり、昭和60年(‘85年)5月の連休を利用して泊まり込み状態ながらチューニングしたという「縁」があったのです。
そして、何年も経過したが独立して、先の成功体験を得て自信をもって貴社を訪問した時に寺田さんと再会して、コンサルが始まったという「運」があり、貴社の事情がある中で今日まで継続している「つき」があったのです。

 今、私は事務所のあるマンションの老人会のお世話しています。
コロナ禍で老人会の活動が途絶えたのですが、会員の中から「麻雀をしたい」という願いを聞き、行きつけの喫茶店で場所を借りて開催したのですが、コロナ禍で喫茶店が閉店したので、事務所のレイアウト変更して両肘を拡げると8人掛けの作業テーブルを購入して、自社のミーティングに使うと同時に休日に老人会に開放して茶話会を開き、トランプゲームなどで8名の方が参加して頂いています。
この老人会は事務所の隣人の葬儀で係の方とご一緒になった「縁」で参加した「運」があり、そして、コロナ禍で外出できない時に「茶話会」を開くという「つき」に発展したのです。

 このように、長い人生で多くの方にお会いしましたが、相田みつをさんの「あなたにあえてよかった」の言葉通りに思って頂けている方は何人いらっしゃるか分かりません。
しかし、その場で「親身」なっていた事には自信と誇りに思っています。つまり、道に迷った時に「人生は1度きりだから、自分が親身なれる事を選ぶ」と自身の体験から申し上げたいと思っています。
「道に迷うことばかり」と歌にありますが、判断基準の一つ「親身」になれる事が大きかったと思っています。


2.最後に
 人生の判断基準を持つ事が大切です。
「迷ったら、より困難な道を選ぶ」はよく聞きますが、相田みつをさんの書のように「あえて良かった」と言ってもらうのは難しいことです。
しかし、「親身」になってお付き合いする事を基本として来たので自身としては全力を尽くしたと思っています。
換言すれば、自身が「親身」になれる事を見つけることが重要と思っています。


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