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<月刊AMI>2022年8月号 Vol.252 ■△▽●○□


1.「インサイドセールス」で「事務的営業」を支援

 右上は青森の住宅建築会社が宴会で送った「症状」で話題になりました。
この中に、「事務的営業」という言葉があり、それを営業成績が低い原因と決めつけて、会社の責任を一切触れていません。
この結果、社員は鬱になり自殺しているので、余興と言えども「度」が過ぎた事で罪が重いと思います。

 一般的に「2:6:2の法則」があり、全ての方が優秀という訳ではないので、誰でも出来るように方策を打ち出す必要があります。
右下は20年前に出版された「ディズニー 7つの法則」から導いた「金の星戦略」です。
キーワードは「居場所」と「出番」です。青森の住宅建築会社は@は出来ているが、Aの「誰でも売れる商品」はどうだったかBは見込客に営業をアピールする場であり、Cは営業を支援する体制があったかと疑問に思います。
また、ブランドとしても大阪近郊では「泉北ホーム」や「オウミ住宅」などがTVコマーシャルを盛んに放映して知名度を上げているが青森の会社はどうだったかと危惧します。
例えば、見込客と注文住宅の打合せを支援するサポートチームがあったのかと思います。
この@〜Cが直接、営業に関わり「出番」、D〜Fは会社の分野で「居場所」です。

「居場所」をよくするにはEの効率的営業方法が重要です。
つまり、「飛び込み営業」のようなガンガンな営業スタイルは過去の物となっている事を知る必要があります。
「誰でも出来る」がキーワードです。近年はSFA戦略としてマーケティングとクロージングを分離して効率化を図っている企業が業績を伸ばしています。
マーケティングを「インサイドセールス」と呼び、クロージングを「フィールドセールス」と呼んでいます。
テレアポなどで見込客を炙り出し、その情報を地域の営業に連携してクロージングする構図です。
多くは高付加価値商品で採用されています。

弊社は‘95年創業時からFaxDMをメインにしたマスプル営業を基本として来ました。
今流に表現すると「インサイドセールス」で商品企画を立て、ターゲッティングして顧客データを抽出・提供して、それに向けてFaxDMを送信・レスポンスを得る方式です。
販売業では、「マルトク通信」で新製品やセール商品を案内し、「イチオシ通信」でコト分野の案内を行なうスタイルです。
勿論、新規開拓にもFaxDMを活用してマーケティング展開を行っています。

この時、課題になるのがレスポンスですが、「イノベータ理論」では「商品」に飛びつくイノベータ層は2.5%で、関心を持ったが動かなかった潜在客(アーリーアダプター層・アーリーマジョリティ層)が10倍いる事が分かります。
潜在客の存在率は経験的にも実証されています。
仮に、十分なレスポンスがなかった場合、10倍の潜在客がいるので再度マーケティングするかテレフォローする事をお薦めしています。
また、新規の場合、既存の10分の1として0.3%をレスポンス基準としています。

そして、重要な事はレスポンス客に対応する「手順・ツール・トーク」の準備です。
青森のような注文住宅なら支援するツールやチームが必要になります。
このような環境を整備するのが経営者の重要な仕事と思います。
一般的に「売って来い」と檄を飛ばす経営者は少なくなっていますが、「商品」「マーケティング」「支援体制」などを整備するまでに行かないケースが多いのです。
例えば、@です。「何屋」かハッキリしている事が重要ですが、あれこれも出来るという状態で「集中と選択」が出来ていないのです。

このように「出番」と「居場所」を与えれば、人は優秀で一定の確率でクロージングするのです。
この確率は個人差が出ますがそれを縮小する事、つまり、「見込客」と「支援体制」の両面がポイントです。まずはマーケティングで「見込客」を生み出す事がスタート台です。
弊社は、身の丈のマーケティングとしてFaxDMで貢献しています。
残るは「手順・ツール・トーク」を磨いて粘り強い営業スタイルを身につけて頂く事が課題です。
2.最後に
 「人を活かす経営」って言いますが、誰でも成果が出せるようにして「出番」と「居場所」を作る事ではないかと考えます。
物事を依頼する際に「あなたにしか出来ないので・・」と持ち上げる方がいらっしゃいます。
本心ではない事は理解してもマンザラ悪い気もしないのでズルズルと引き受けた経験があります。
相手にグッと入り込んで「居場所」をつくり「出番」を依頼する方式、これって意外に効果的な手法なので参考にしています。


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