2

<月刊AMI>2022年7月号 Vol.251 ■△▽●○□


1.G-PDCAサイクル

 右掲は「方針管理と日常管理」の構図ですが、最近ではG-PDCAサイクルと呼ぶようです。
「会社方針」を「夢」と置き換えて、現実の達成目標を「希望」とすると個人にも当てはまります。
しかし、「夢」は大きな事柄なので現実とのギャップが大きいので、ブレイクダウンして各項目を出来る事柄にして改善する事がポイントですが、人はマルチ処理は苦手なので「一つ」ずつが基本です。
そして、「着眼大局、着手小局」の原則で出来る事からコツコツと実践して成果を積み上げて行く事がポイントです。

 「希望」はやれば実現できる目標に設定する事がポイントで、故船井先生は「3回安定10回固定の原則」で連続3回で勢いをつける事が重要と教えて下さっています。
しかし、現実を見ると1回で 諦める方が大半なのです。例えば、「営業は断られた時から真の営業」というように、次の約束をとってリベンジしようとする方とそうでない方の差は歴然としています。「1:1.6:1.62の法則」とありますが、やらされてする仕事を1とすると理解して行なうと1.6倍に跳ね上がり、工夫すると1.62=2.56倍(約3倍)に跳ね上がるのです。断られたと諦める方を1とすると次回のアポを取る方は1.6倍に跳ね上がり、断られないように工夫すると1.62になるのです。この差は「希望」の有無にあるのです。営業なら断られた事とのギャップを埋めようとすると1.6倍に跳ね上がります。さらに、やり方を工夫すれば1.62倍になります。「人在、人材、人財」と呼ぶのです。営業ばかりではなく何事にも当てはまります。

 右掲は「下町人工衛星」の青木さんと楽笑さんの「夢」の遊書を合体したポスターです。
「人工衛星」という「夢」を掲げて東大阪で組合を立ち上げて参加企業の技術を寄せ集めたのです。
当然、バラツキがあるので調整する方のご苦労は大変な物だったと思います。
それを支えた原動力は「人工衛星」という「夢」だったと組合長をしておられた青木さんが回顧されていました。
Gは「人工衛星」で各組合員との会合というPDCAサイクルを回して実現に向かわれたのです。
このポイントは「3回安定10回固定の原則」であり、バラツキの大きい会員を巻き込む努力として連続3回を基本とされたのです。
Gはゴールで大きな目標です。
「夢」とも言いますが、着実に実現できる課題に置き換えて達成する「希望」を持って活動するのです。
「3回安定」は「出来た、出来た、また出来た」で「勢い」と同時に何かしらの「コツ」を掴むのです。
そのコツでさらに展開するようになるので「10回固定」と表現しています。
この繰り返す事が課題で、それは「希望」を持ち続ける事です。
人生は順調な時ばかりではないので「気持ちが折れそうになる」事も起こります。
それを乗り越えるには大きな「夢」が重要なのです。
それまで連続達成してきた「希望」が「信念」化していると困難を乗り越える原動力になるのです。

 よく「PDCAサイクル」と呼びますが、「夢」(G)と達成する「希望」(課題)の連続が大切なのです。
逆に言えば、「希望」がなければPDCAサイクルは回らないのです。
現実に沿った希望で実現できる事が原動力なのです。
「夢」をブレイクダウンして今着手できる事からコツコツと進めることがポイントで、故船井先生は「コツコツ、ジワジワ、イキイキ、タンタン」と教えて下さいましたが、G-PDCAサイクルも同じなのです。
「夢」と「希望」が大切であり、達成できる「希望」から着手して勢いをつけるようにしたいです。
2.最後に
最近は、カタカナ語が氾濫していますが、元は同じという事が多いです。
G-PDCAサイクルも昔は「方針管理と日常管理」と言っていたのです。
また、製造業ではSDCAがありSは標準(Standardize)、Aは適応する(Adjust)と置き換えるそうです。
このように、どんどん短縮表記が多くなるので調べる必要があります。


月刊AMIトップへ