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<月刊AMI>2022年5月号 Vol.249 ■△▽●○□


1.ブランドストーリー戦略

 右掲は弊社が考えるブランドストーリー戦略の概要です。
カタカナ語なので意味が分かり難いかも知れませんが、お客様が「〇〇ならどこそこ」という拘りを持つ事がブランドです。
例えば、私のこだわりの一つは回転寿司でも家族と行くなら「くら寿司」友人と行くなら「大紀水産」という風な使い分けもあります。
皆さんも幾つもこだわりを持っていらっしゃると思います。
同じようにビジネスにおいても各社がこだわりを持って取引をしているのです。
この取引関係に割り込むのがブランド戦略です。

 その手法をブランディングと呼びますが、実はカンタンには行かない物です。
マーケティング関係で基本になるのは「メラビアンの法則」(右)と「ザイアンスの法則」の2つです。
まず「メラビアンの法則」では、真実の瞬間(最初の数秒)がポイントであり、「ザイアンスの法則」は、単純接触の法則とも呼ばれるように何度も接触を繰り返す事で印象が刷り込まれて好感度が増すというものです。
つまり、幾ら接触を何度も接触を試みても第一印象(真実の瞬間)が悪いと真意が伝わらないのです。
その為にテレビCMなどでは知名度の高い、そして、客層に合わせた年代の俳優をモデルに使って情報に親和感をもたらすのです。
右掲は「5つのチェックポイント」ですが、お客の視点は、何と言っても価格が先で次に価値・・とつながるのですが、売る側は同質つまり客層をイメージして親身に訴求する事で安心感を持ってもらう・・と言う 流れになります。

 私の回転寿司の例でも、家族となら「くら寿司」、友人となら「大紀水産」と使い分けているのは、「価値」という見えない部分が大きく左右しています。
「価格」ならば「くら寿司」ですが、「価値」という点ではネタの良質&ボリュームによる満足で「大紀水産」としているのです。
回転寿司は他にもスシローやはま寿司・かっぱ寿司・長次郎などがあります。
それぞれ特長がありますが、シーンに応じて2つの回転寿司を選ぶようにしています。

 では、どうしてブランディングするかという事がポイントになります。
右掲は、最近作成した新規開拓用のFaxDMのアイキャッチ部です。
下は10数年前に作ったものでアイキャッチは文字と商品の2種類でしたが、今回は上のようにマスコットねじちゃんを取入れて「こんな事で困って・・」と語りかけるように進化しました。
最近は、SNSが盛んでSIPS(Sympathize:共感する、Identify:確認する、Participate:参加する、Share&Spread:共有・拡散する)時代と言われています。
つまり、「共感」がキーなのですが、SNSでは写真や動画を使って興味を惹きやすくする工夫をしています。
まず、関心を持ってもらわないと始まらないのです。
この意味でマスコットのねじちゃんを使って、マスコットが語り掛ける工夫をしたのです。
そして、「こんな事で困って・・」とお客様の関心フィルターを通過しやすくしたのです。
スタフグレーション(景気低迷下のインフレ)と言われていますので販売が難しい状況ですが、コンタクト瞬間にこだわってマーケティング成果を高めて行き、これを繋げてブランドストーリー戦略として行きたいと考えています。

2.最後に
 物価高騰時は、当初は買いだめに走りますが、節約意識が高まり使用量が減ります。
この意識下では「価格」を下げても購買意欲が働き難くなります。
購買意欲を引き起こすには「共感」がキーになります。
納得する商品なら高くても購入するという方が多いのです。
TV通販では「下取り」や「おまけ」という手法を駆使していますが、ジャパネットでは日立の炊飯器で京都の料亭の炊き方として紹介し、料理長が自宅で使用しているという価値を訴求して顧客に共感を引き起こしています。
優れた共感マーケティングと言えます。


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