<月刊AMI>2020年11月号 Vol.231 ■△▽●○□


1.レスポンスと潜在の関係

 右掲は、弊社が考えるマーケティングの構図です。
「情報」は「関心」というフィルターを通して認識されて、AIDMA理論のように「関心」⇒「興味」⇒「欲求」⇒「記憶」の段階までは進むが最後の「行動」が「キッカケ」がないと起こせないと表しています。
この事は、TV通販などを見る機会が多いのですが、通販業者が「キッカケ」づくりに工夫している事に気づきます。

 例えば、私の場合、定額給付金10万円を得て、ジャパネットが使用中の炊飯器を下取りして日立の高機能炊飯器を定価の半額ほどに設定してPRしたので、思わず購入となったのです。
この「下取り」がキッカケの大きな要因になり、高機能炊飯器で「おいしいご飯」のイメージが浮かんだのです。
何事も「売り方」とも「キッカケ」づくりの工夫がポイントになります。

 では、私たちの工業用品の世界では、どのように応用するかが重要ですが、その展開法を右掲の図に表しています。
まず、の自社で「情報」を企画する事から始まります。
この「企画」をテストする為に「モデル企業」を選んで研究開発の心算でお金と時間をかけて行う事がポイントになります。
例えば、メーカーが開発した製品を拡販すると企画したならば、その製品を使用する企業を選び出して格別の条件でテストをお願いして製品評価をして頂くという事も一つの案です。
しかし、実際には、メーカーと同行販売する事が出来れば良いというのが現実です。
この同行販売よりもお客様の中でミニ展示会を開いて多くの社員の方に見て頂く方がより効果的な方法です。
このようにして、最初の成功事例を作り出す事が第一ステップです。

 次に、このテスト・マーケティングの評価を得て「成功事例」として@の見込客への横展開になります。
「成功事例」なので説明がより具体的になるので、テストで採用しようと前向きな反応が出やすくなるのです。
この前向きなお客様で順に広めて「成功事例」として確立して、Aの地域エリア内の他社客へのアプローチと進みます。
地域内なので住所を確認しやすいのでDMで資料を送付してレスポンスを確認するのです。
この時に大事な事は、右掲に示す統計学の正規分布を応用したイノベーター理論の概念が大切です。
標準偏差はσで表現されますが、2σより大きな値の層は全体の2.5%であり、これをイノベーターと呼び反応してくれるのです。
しかし、関心を持ったが行動に移さない層がアーリーアダプターと呼び2σ〜1σの間に位置して13.5%存在し、関心を持ったが高値の華と価格がリーズナブルになるまで待つアーリーマジョリティ層が34%いるのです。
仮に、DMの反応が1件だとすれば、(13.5+34)÷2.5=19件が関心を持ったと推測できるのです。
アーリーマジョリティ層は関心度が幅広いので少な目に見積もると10件、つまり、反応があった件数の10倍が潜在客なのです。

 この10倍いると仮定する潜在客の掘り起こしが課題になります。
例えば、DMの送付先が分かっておれば、電話調査するのも一案ですし、間隔を置いて継続的にDM作戦でレスポンスを待つ方法もあり、さらには、展示会などに出展して案内を送り来場を促す方法もあります。
貴社でも、Faxマーケティングの当初は電話調査をして潜在客を炙り出して一応の成果を上げた事もありました。
つまり、レスポンス客の裏側に10倍の潜在客がいるという事を念頭にいれて、根気よくマーケティングを展開する事が重要です。


2.最後に
 アフター・コロナの世界に向かって企業変革する必要があります。
もちろん、テレワークなどの生産性向上も重要な事ですが、企業としては「新規基軸」を打ち出して発展を描くことが大切です。
経営デザインシート法がありますが、簡単には「10年先から逆算して、今を決める」という事です。
この決めた事を「企画」としてマーケティング展開して行き新しいビジネスにつなげるのです。
簡単な事から取り掛かって10年先を目指したいと思います。


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