<月刊AMI>2020年5月号 Vol.225 ■△▽●○□


1..身近になったテレワーク

 右掲はスター型ネットワークの概念図です。
本社を中心にして営業所を配置する地域型企業のパターンです。
営業所と言うと所長がいて営業や事務員・現場要員などがいるイメージが浮かぶのですが、ICT時代、極端にはパート社員一人の営業所も可能になったのです。
何故なら、このような場合、特定のお客様の近隣に設置して、本社からネットワークを介して伝票を出力し在庫を出荷納品するという形態です。
お客様の近隣に設置する事で緊急納品も可能になるのです。
営業は本社からお客様に訪問する単純な形態からビジネスを拡大された事例もあるのです。

 また、名古屋のお客様はトヨタなどの工場の近隣に営業一人の住まい兼事務所をつくり、近隣の3PL(在庫管理して出荷まで行う物流業者)に必要な在庫を委託して、通常の出荷納品は3PL業者が行い、緊急の際には営業が出荷納品するという形態で大手企業の工場展開に追随されています。
住居兼事務所は、ワンルーム・マンションを活用しているケースが多いです。
営業会議はZOOMを使って毎日開き、孤独感を解消する事も兼ねて行っておられます。

 この概念が今回の新型コロナ危機で非常事態宣言で「出勤7割減」という衝撃的な自粛要請がクローズアップされたのです。
つまり、「営業所」を「自宅」と読み替えると社員が個人で使用している自宅内にネット環境があるのです。
会社が在宅勤務の手段として借り上げて、会社のサーバーと接続する手段を提供するのです。
例えば、大手企業とのビジネスでは、営業訪問を禁止しているので、会話が必要な場合は事前に要件を開示してスカイプなどで会話するアポをとるやり方が定着し始めているのです。
また、このような企業はEDIやメールを活用しているので、パソコン接続できれば事務処理は自宅でも可能なのです。

 先ほどの名古屋の方は「元の世界には戻らない」と警鐘を鳴らし、テレワークで分散型の方向にシフトされるのです。
自宅のスペースをテレワークに使用する費用は通勤定期代にプラスする事になりますが、本社のスペースが別の目的に活用できるようになるのです。
また、テレビ会議システムを使って部門内の会議を行うので、本社に出勤していた時よりも情報共有が高まっているとの事です。
この部門内は、全国各地と行う場合、エリア別に行う場合、1対1という場合などがあり、会話と同時にチャット機能で議事録を残し、要件を再確認するやり方を展開されて「営業の生産性向上」に貢献していると言われています。
一方、現場部門はテレワークはムリですが、仕事の指示は端末から行えるので都会から離れた場所へ行ったり、3PL業者に委託する流れになります。

 このように、発想の転換を行えば、新しい時代のビジネス展開が生まれるのです。
「時流」と読んで着手する必要があります。
幸い、ICT時代で必要なソフトは無償のものもあり、有償でも比較的廉価になっています。
今回の異常事態宣言でテレワークに踏み切る企業が多くなり、ビジネスの大革命が始まると想定する必要があります。
うちには縁遠いと拒否するのではなく、個人間でLINEやZOOMが「面白い」と普及している時代です。
本当に、そういう時代になり、そういう若い人たちが増えているのです。
今こそ「発想の転換」がキーになります。


2.最後に
 テレワークの時代になり東京や大阪といった大都会に通勤する事がなくなると発想の転換を行う事が必要になって来ました。
ICT時代と言われて久しいですが、未だにFAXや電話で受注している業態が中小企業では目立ちます。
FAXや電話も転送する事が可能であり、場合によっては電話交換手みたいな役割をする人がスイッチングする時代になると思います。


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