<月刊AMI>2020年2月号 Vol.222 ■△▽●○□


1..「積小為大」・・二宮尊徳に学ぶ

 右掲は、イー・モバイル会長であった千本さんです。
千本さんも数多くの語録を残しておられますが、私が心得ているのは「一銭を疎かにすると心がバブルになる」という言葉です。
何かの記事で目に飛び込んだのですが、グサっと心に入って来たのです。
「心がバブルになる」という事は本当に実感します。
「まぁ、これ位なら・・」という自分に甘い心が大敵なのです。
「これ位」の誘惑に一度負けると次も「これ位」になり、心が緩み放しになり、だんだん拡大していくのが人情です。
どこかでハッと気づいて、元に引き戻すことが大切です。

これと同じ事を二宮尊徳が「積小為大」(小を積みて大と為す)という言葉で教えて下さっています。
四字熟語辞典の解説には、
「何事も順というものがあり、気に逸って速成を願ってはならないという戒め。
小は自らの身の丈にあったもの、平凡なものであり、それが集うことでやがて大なるものへとなる。」
とあります。
誰でも即効果を期待するものですが、気が逸(はや)って一挙に勝負に出て失敗する羽目に陥りやすいのです。
「身の丈」(平凡)な事を飽きずに行うことが大切という戒めなのです。
「身の丈の事を飽きずに行う」という事がポイントです。

右掲は、何度もご紹介している私が「成功の方程式」と名付けた四行訓です。
1行目の「心」→「行動」が重要なことですが、二宮尊徳は「何事も順というものがあり、気に逸って速成を願ってはならない」と戒めておられます。
また、「身の丈」の事を持続する事がポイントだとして、「これはイケる!」と喜んでも持続できる事が大切で、その為には、「身の丈」つまり「できる事」から着手して順にレベルアップする事を諭されています。

 私がトヨタ販売店時代に経験した例では、よく売る営業マンほど車検や保険の世話をキッチリしてお客様の心を掴んでいるが、売れない営業マンは一発勝負で高額なクルマを売りたがるが実力がついていないので価格勝負になり自分を売る事ができないので高額な車のお客様には嫌われるという構図で長続きしないという経験則があります。
よく売る方とそうでない方の相違はコツコツとお客様とコンタクトを取っているか否かだったのです。
車検の世話をしていると人柄(人格)が評価されて紹介の話も出て来るのです。

 二宮尊徳の言葉に「気に逸って速成を願ってはならない」があります。
「気に逸(はや)って」つまり「これはイケる!」と思っても蒔いた種が全部花を咲かし実を結ぶ訳ではないのです。
実際に、思うようにいかないのが常ですから、花が咲くまで待てるという「器量」の大きさがポイントなのです。
「待てる」=「器量」と考えると「器量」=「心の余裕」=「経済的余裕」となります。
「経済的余裕」がなければ、もうすぐ花を咲かす状況でも待てずに自分勝手な合理性で諦めてしまい失敗に終わるのです。

 また、「行動」→「習慣」という流れですが、二宮尊徳さんは「できる事」から着手して順にレベルアップする事を諭されています。
最初はカンタンな事から着手して成功させることが重要です。
「成功」こそが真の経験になるのです。
事務的なことでは「真の経験」にはならず、カンタンでも良いからチャレンジしてリスクとの闘いを克服する事が重要なのです。
「一皮むける」と言いますが、成功体験を積み重ねる自信というオーラが出てきて「人格」も変わるのです。
「人格」は他人の評価ですから、それが変わるには「経験」を積んだ「自信」しかないのです。
「而今」と言いますが、この事に目覚めたら今から実践しましょう。
カンタン事から成功を積んで「人格」=「自信」=Σ(成功体験)に磨きをかけて頂きたいと思います。


2.最後に
 二宮尊徳の「気に逸(はや)って速成を願ってはならない」は身に染みます。
私はせっかちな性格なので熱しやすく冷めやすいという根底があります。
年をとり経験を積んで「冷めやすい」は消えつつありますが、新しい事には若い人の支援がないと難しくなっています。
最近、LINEをようやく始めましたが、知人の女性から絵文字やスタンプを勧められましたが私らしくないと拒否していましたが、さらに押して頂いて始めると意外にスタンプにはまっています。
ホンマに周囲に押してもらう事の重要性を痛感しました。アンチ「頑固爺」ですね(笑い)。


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