<月刊AMI>2019年11月号 Vol.219 ■△▽●○□
10月から色んなものが変わりました。
最たるものは消費税が10%になり、その変わり軽減税率が導入されて食料品などは8%に据え置かれた事です。
この結果、一般家庭では月4000円の負担増になり、その対策として、政府は来年6月まで期間限定でキャッシュレス化で5%等の還元策を実施しました。
右掲は、近所の食品スーパーのレシートです。
私は、自炊していますので、毎日、このお店で購入して会員機能付きプリペイド・カードで決済をしています。
事前にお金を入れて置き、レジ清算時にはキャッシュレスになるので小銭不要になり重宝しています。
さらに、実は、このカードで5%還元になったのです。
このレシートではプレゼント残高170円が即時計上されているのです。
しかも、お店のポイントはそのままです。
期間限定ですが実質3%の勘定です。
こんな事やって意味あるのかと疑問に思いますが、現実的は思わず微笑んでいます。
さて、この会員機能つきプリペイド・カードによる食品スーパーのメリットですが、意外に大きいのです。
私は1万円入金にしていますので平均5千円をお店に預けている勘定になります。
これが会員の数、仮に、10万人とすれば5億円がお店に滞留しているのです。
今は金利が安いから利息は低いですが、これが借りるとなると企業のもよりますが1%〜2%の利息を払うことになるので、2%なら年間1千万円もの利息になるのです。
その上、レジでのお釣りの確認作業がなくなる事やたまにいる小銭を探して時間がかかる客もその必要がないので決済速度が上がり、混雑時の応援も少なくて済みという効果が出るのです。
このように、「ちょっとの時間」に着目する事でレジ待ちの滞留時間がなくなり、顧客満足度が高まるという効果につながります。
しかしながら、街のお店を見ているとキャッシュレスでポイント還元を謳っている店が少ないのです。
これでは、不易流行と言いますが、幾ら「不易」と言っても自分の商売で顧客満足度が得られずに、その上、「流行」に取り残されては自ずから「敗者の道」を選んでいる事になります。
この事を「他山の石」として、自社の「不易」(変えてはいかない部分)と「流行」(取り入れるべき事)を再点検する必要があります。
特に、「人」が行っている作業をRPA化(Robotic Process Automation:ロボットによる業務自動処理)を通して解決できないかと考える事から始める必要があります。
RPAは、今に始まった事ではなく、コンピュータの発達とともに採用されて来たのです。
最近では、デジタルレイバー(仮想知的労働者)やデジタルワーカー(仮想作業労働者)と呼ばれて中小企業の現場で取り入れられています。
身近な所では、保険はネットで申し込めるようになっていますが、紙が主体だった時代は保険外交員のおばちゃん(日生のおばちゃん)が大活躍しましたが、保険の金額も手価格化しているので、徐々に、ネットに切り替わっています。
少し、例が違うと思いますが、NHKがAIで美空ひばりさんを「あれから」という曲で復活させ、私も思わず感動して涙した程の完成度でした。
AIとRPAが合体していろんな分野で高度に自動化される時代です。
私たちの身の回りにも自動化できる仕事が沢山あります。
自動仕訳という昔からの言葉がありますが、現場データを取り込んで自動化するのです。
売上や回収などの直接データ以外にも、勤怠データや各種の経理関係の伝票も決済承認作業も電子的に行われ、支払いまでスルーに自動化される時代です。
また、EDI受注データも出荷までの間に絡むチェックや外注処理、あるいは客先在庫の自動管理までボタン作業で行われています。
この結果、全ての事が正確に処理され、かつ、人を介しない作業になるのです。「不易」も時代によって変わり、「流行」の事柄を取り入れることが「適者生存」となる最低の必須条件になっています。
今一度、身の回りの事で反復処理することが自動化でいないかとチェックして頂ければ、新しい発展のスタート台に立てると確信いたします。
ぜひ、取り組んで頂ければと思います。