<月刊AMI>2019年8月号 Vol.216 ■△▽●○□


1..「経営理念」=Σ(個々の信念)

 右掲は、7月の四半期路線会議で幹部の方々にお話した事から一部を抜粋したものです。
以前にも、サミュエル・ウルマンの「青春」という詩から、「若さ」=「信念」x「自信」x「希望」と公式化している事をご紹介しています。
私は、「自信」つまり、一つ々々の経験の積み重ねから「信念」が生まれて来るものなので、「信念」は個々によって違ってくるものと考えています。
しかし、人数が多くなると同じ会社にいても先輩からの伝承で変形してバラバラな状況になりかねないので、「信念」の方向性を示す「経営理念」が必要になるのです。
理念は、なかなか難しいものですが、辞書的には「ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え」とあるように、ある一点に収束する始元(アルケー)という事になります。
つまり、組織として各自の個性を発揮しながら活動するのですが、その個性を発揮する方向性を示す訳です。

 今のように、変化が目まぐるしい時代は、変化に振り回されないようにする為にも経営理念が必要です。
社長の「ねじも」という言葉が最新のものとすると文字から推測すると「ねじは‘ついで’で良いから何でもとにかく売る」と解釈されるケースも出ます。
最後の「とにかく売る」が効く訳なので、単に「売れ」と檄を飛ばすことになりかねないのです。
これでは、各自がダボハゼのように食らいつくので共有するものがなくなり、結果、バラバラになり個々の仕入数量が少ないので高コストになり採算性が悪化するという悪循環になります。

 このように、「理念」の持つ意味が大きいのです。
経営環境は厳しいですが、組織としては「若返り」の転機に来ているので、新しい人を教育する為にも「理念」を、今一度、定義する必要があります。
右掲は、弊社の理念の元になる「心・観・学・術・体」の5つの視点です。
このうち、□で囲んだ「心」と「観」が経営理念の構成要素であり、そこから、「情報で先進的経営を仲間となって一体化する」という理念に結びついており、学・術・体は実践の行動指針になります。
この行動指針は時代の進化と共に変化して、三男の場合、「学:業務改善、術:ソフト開発、体:プログラミング」となっています。
この「術」と「体」で弊社のお客様に「理念」に従って「情報で先進的経営を仲間となって一体化する」をコツコツと実践しています。
お客様も専門分野に人財を得たと喜んでおられ、「情報システム部」として大手企業のEDI業務などの運営に窓口担当にして頂いています。

 なぜ、重要な部門をアウト・ソーシングしているかと言えば、専門分野の進化が早く、社内の人員では陳腐化するのと解決までのスピード感が違うのです。
例えば、社内の人員に新しいことを依頼しようとすると「えぇー!」というリアクションから始まるケースが多いのです。
それが、外部なら「はい!」から始まるのです。
この差は非常に大きいです。
新しい事は社内の方は知識として持っていても実践経験がないので「不安」からスタートしますが、外部は経験の中からスタートするので「自信」が見えるのです。
従って、外部はイメージのギャップを詰めるだけでよいのですが、社内の場合、「なぜ、しなければならないか」から説き伏せて「やり方」や「環境」を整える必要があるのです。
この「やり方」と「環境」を整えても未知の世界ですから「不安」が先行する傾向が高いのです。
こんな状況では遅々として進まないという結果になるのです。
こんな状況にならない為にも外部の専門性を活用する事が企業スピードの向上につながるのです。
うまく外部のパワーを使って頂きたいと思います。


2.最後に
 経営に「理念」が重要と分かっていても適切な理念を描くことは難しいものです。
元船井総研の宮内先生に教わった「心・観・学・術・体」という5つの視点は一気通貫なので理念を考えやすい方式です。
「心」と「観」をシンプルに表現すると弊社でも「心」と「観」をつないでワーディングするだけで経営理念を描くことができました。
ご参考になればと思います。


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