<月刊AMI>2019年2月号 Vol.210 ■△▽●○□


1..「連想力」を磨いてチャレンジ!

 右掲は故船井幸雄先生から教わった「過去オール善」という言葉をイラスト化した物です。「願望」を実現させる近道は過去の経験が活かされる物を選ぶ事だという教えです。
特に、「経験値」が高い事を選ぶと良いので「過去の棚卸」が大切だと強調されていたのです。
それを私は「経験値」=Σ(経験)としていますが、経験とは成功ばかりでなく失敗も含める訳です。
船井総研の方は日報に「本日のルール化」という欄があり、気づいた事を書いていたのです。
この「気づき」を別のお客様で話す事で成功されて役員になられた事例もあったのです。
パクリみたいですが貴重な経験を自分の物にする事が大切なのです。

 一般的に、「願望」を実現する為に、「経験値」=Σ(経験)という概念が重要です。
何故なら、経験を積重ねる事で「経験値」が高まり、それを活かす事、つまり、経験をポケットに入れて「いつでも引き出せる」という状態にしておく事が大切なのです。
また、人は「情報」を「関心」というフィルターを通してキャッチすると言われますが、その「関心」の素は過去の経験が反応する事なのです。
従って、若い時は、いろんな事に興味を持って経験の幅を拡げておく事が大切です。
私の場合、トヨタ系販売店に入社したのですが、最初は社長室という部署に配属されて、日報のまとめから月例朝礼の原稿づくりや半期の経営資料づくり・トヨタ自動車との年契資料づくりなどと幅広く経験させて頂いた事が、今日、役立っているのです。

 このように「経験」を活かす事が重要なのですが、去年12月末、タナベ経営のメルマガに「PFB」という言葉が出ていて非常に興味を持ったのです。
3文字言葉が多くなって、なかなか意味が分からない事が多いですが、単語に直すとlatorm usinessとなるそうです。
元来、プラットフォーム・ビジネスはIT業界の用語で、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字)が基盤となるソフトを提供して、そのソフトを利用する度にPRが掲示して掲載料を取得する事で儲けている業態をPFB(プラットフォーム・ビジネス)と略すとの事です。
しかし、一般企業では利用料ビジネスで収益を挙げるのは非常に困難と言えるので、過去(=経営基盤)を活かせる領域でビジネスを増やす事としていました。

 つまり、まずは既存客でビジネス基盤をつくり、その既存客に関連する商品で深堀する訳です。
よく「現場に宝の山がころがっている」と言いますが、他社が供給している商品を見つけて自社から供給できないかと連想する事から始めるのです。
簡単に供給可能になる商品もあれば、新規に仕入先を開拓しないと不可能な物もあるのです。
また、インターネットやFaxで見積や相談が来る訳ですが、その中に自社では対応し切れないケースが数多く含まれているのです。
これらを見積も出来ずに終わるか、いろんな人脈や情報源を辿って対応できるように粘るか否かが分岐点になるのです。
粘って切り拓いた商流は、横展開して会社の商品幅を拡大するのでビジネス・チャンスが膨らみ会社が発展するのです。

 このように、個人的に見れば、船井総研の若い方も経験を活かして活躍されていますし、私自身も若い時の経験をフル活用しています。
また、企業に置き換えて見れば、PFBで既存客でビジネス・チャンスを掴む事から発展できるのです。私は、「経験値」=Σ(経験)とルール化していますが、単純に経験を活かす事も大切ですが、その上に、経験に関連する事にチャレンジして経験の幅を拡げる事で進化発展できるのと考えています。
全く新規では五里霧中になってしまいますが、経験の範疇内なら切り拓く糸口が見つかるので、連想力を磨いて頂きたいと思います。
うまく行けば、非常に楽しい物です。
前向きにチャレンジして頂きたいと思います。


2.最後に
 筆者は、「百歳現役」というスローガンを掲げており、今年7月に満70才になるという状況です。
経営コンサルタント会社をしていますので、お蔭様でお客様に恵まれて働けていますが、大きな課題があるのです。
それは、同世代の方が少なくなり、若い方と世代ギャップが大きくなるという現実なのです。
幾ら「経験値」=Σ(経験)で裏付けされた「信念」や「経験」があっても、若い方たちとコミュニケーション・ギャップで途切れて行くのです。
その為に、「好奇心」が大切であり、その好奇心に経験の裏付けが必要なのです。
これからも経験の幅を拡げる事が課題と確認して頑張ってまいります。


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