<月刊AMI>2017年8月号 Vol.192 ■△▽●○□
私は、サラリーマン時代に故福井社長から「栩野君、人生はちょっとの差だよ」と教えて頂いて今日までこの言葉を噛みしめて来ました。
なにせ日産自動車系列から唯一トヨタ自動車系列に転換して成功を納められた方の言葉ですから説得力があります。
トヨタ転換が「ちょっとの差」か否かは異論もあろうかと思いますが、福井社長にとっては転換するか否かの2択でしかなかったのです。
福井社長は迷わずに選択されたのですが、一般には社運をかけるので迷うのが恒と言えます。こ「迷う」という事が「差」を作ってしまうのです。
ちょっと大きな話になりましたが、このように「迷う」という事が人生を変えるのです。
誰でも「迷う」ことが多いと思いますが、その原因の一つが責任という事です。
先の見えないことにチャレンジするのでリスクもある訳です。
上掲は私が好きなイラストで「好きな事」=「仕事」を表しています。
確かに「好きな事」をやっておれば楽しいのは誰でも頷けると思います。
問題は、毎日、同じことの繰り返しではマンネリ化する事であり、ラクではありますがうっかりミスの危険も孕むのです。
この「脱マンネリ」を計るにはイラストにある「好きな事」とはどういう事かを考える必要があります。
単純に「好き」という事も重要ですが、長い期間を反復するには「工夫」を込めるか否かというのも重要なのです。
「工夫」してうまく行けば「喜び」が湧き、さらに「工夫」しようと前向きになれるのです。
この「工夫」を込める事で「仕事」のレベルアップがあるのです。
その「工夫」は「ちょっとの差」で良いのです。
イラストの下に書いてあるようにΣ(ちょっとの差)は「ちょっとの差」を繰り返し行い積重ねるという事です。
私がサラリーマン時代に勤務した会社は600人規模だったのですが、改善のリーダーとして「30分x600人=40人の会社」というスローガンを掲げて30分の改善を推進した事があります。
1日における30分は意識次第で大きく変わるのです。
ある営業マンは上司の許可をとってミーティングを早く終わらせて警察に早く行き車庫証明を申請して来て、皆が出かける頃に帰って来るようにしたのです。
すると午前中に来店するお客様とのコンタクトが増えて業績にもつながったのです。
単に、仕事の流れを組み替えただけなのですが、上司への報告もきっちり行い、しかも朝のすいている時間帯に移動や申請を行うので効率的だったのです。
「やめる、かえる、へらす」は改善の3つの視点ですが「変える」を実践されたのです。
これで業績が向上するので「好き」→「面白い」という心境のようでした。
イラストで気になるのは「楽しそうな顔」です。
皆さんは、仕事を楽しそうにしていますか。
確かに、クレームなどもあって「楽しい」とばかり行かないですが、「楽しい」という時がないと詰まらないですね。
あるお客様に「仕事を楽しんでいますか」と訊ねたら「もう、どれ位、そういう心境を忘れているかな」とつぶやかれました。
「守り」だけでは時代が進むのでギャップが出るのは世の常ですが、そのギャップが大きく開き過ぎるとカンタンには埋められないのです。
「守り」の中に「工夫」を込めるという事が大切です。
大きくは変わらないにしても、本人にとってはホンのちょっとした事で大きな改善になる事があるのです。
この「ホンのちょっとした事」が大切であり、これを続けると時代とのギャップを埋め続けられるのです。
この「ホンのちょっとした事」ならリスクも小さいので「迷い」にならないと思います。
ぜひ、「ホンのちょっとした事」にチャレンジして頂きたいと思います。