<月刊AMI>2016年4月号 Vol.177 ■△▽●○□
右掲は「連続改善」というイラストです。
改善はトヨタ自動車が有名ですが、そのキーワードが「連続」という言葉がついた改善活動なのです。
一般の工場に「改善月間」などというスローガンが掲示されているのをよく見かけますが、中身を聞きますと数人が義理で提案して来るだけというケースもあるのです。
これでは、トヨタでは従業員一人あたり約12件、すなわち、月に1件という数値に程遠いものになります。
因みに、パナソニックはトヨタの3倍という情報もあります。
これは、企業風土に大きく影響しているのです。例えば、プリウスというクルマがありますが、‘95年に展示会に出品されて、‘97年に初代プリウスが発売されたのです。
この2年のタイム差が大きいですね。
完全に仕上げてから発売という風土はさすがに儲かっているトヨタだなぁと感心します。
なかなか待てない企業が多いのです。
昔の国産コンピュータはお客様に出荷してOSのバグなどを潰していたという話も聞きますが、その点、IBMは世界出荷するだけに基本的なOSなどのバグを殆ど潰しきってから発売していました。
この企業のスケールの違いが物語る開発風土があるのです。
そして、プリウスは4代目になり、アクアという小型モデルが出ているので、従来あった大衆車っぽい雰囲気から脱して少し高級感を匂わすタイプとなり、同じハイブリッドでも棲み分けを行うようになりました。
正確な数字は分からないですが、アクアとプリウスでハイブリッド車の市場は寡占状態になっていると思います。
基本開発から初代モデルを打ち出し、バッテリーなどの改良を加えて燃費を格段に向上させて軽自動車をはるかに上回る数値、ほぼリッター40kmという領域に達しているのです。
「連続改善」と言いますが、マクロな面で20年もハイブリッド技術を磨き続けて来たのは、凄いと思います。
かのホンダもハイブリッドと言わなくなる程の格差が出ているのです。
インサイトという車種は2014年3月に販売終了しています。
当然、2番煎じになったという事でトヨタの特許を超えられなかったのですが、それでも、インサイトのブランドが消えたという意味で磨き続ける事ができなかった事が非常に残念です。(別にホンダのファンではないのですが)
この情報誌も322号(322ヵ月、26年10ヵ月)となります。
中にはマンネリ感もありますが、毎号、社員が交代で記事を書き続けてきた実績は凄いものがあります。
私も途中から記事を連載させて頂いていますが、「質」という点に心掛けて毎号、新鮮なテーマを掲げて書いています。
この「新鮮な」という事が大切です。
テーマが違うから読んで頂けるのだと確信して、新鮮なテーマをストックするように心掛けています。
こういう心掛けが「連続改善」にもつながると確信しています。
「ちらしはお客様への手紙」というのは当社の信条ですが、「新鮮なネタ」をメイクする事に心掛けて「手紙」の心算で書いています。
これからも「連続」できるように頑張って参りましょう。