<月刊AMI>2015年12月号 Vol.173 ■△▽●○□
経営資源は「人・物・金」と言われて来ましたが、最近、「情報」が加わっています。
確かに、顧客データを上手に活用すればCRM(Customer Relationship Management)という事も可能になり、よりお客様との関係性がよくなります。
こういうマーケティング的な利用が、これからもドンドン進化して行くと思います。
しかし、日常活動を見ていると「それって、早く教えてよ〜」という事態に、結構、遭遇します。
その「それ」は情報を持っている人しか分からない深い内容という事もあります。
例えば、うちの会社は外見上は経営コンサルティングという事になりますが、実は、ホームページの制作やソフトウエアの制作なども行っているのです。
また、単にソフトウエアと言っても中味が分からないですね。
うちの場合、VB.netやVBAというプログラム言語でアプリケーションを開発しています。
さらに、「EDIデータを自動翻訳」とか「文書管理システム」とか細分化されます。
このように、「情報」と言っても奥深い物があるのです。例えば、仕入先という事でもA社と言っても人によって捉え方が違ってきます。
ある人は、単に商品の仕入先という認識というケースもあるだろうし、別の方はA社の○○さんに頼めば□□がうまく行くという個別性もあるのです。
この各自が持っている「個別性」を共有化する事がビジネス展開で非常に大切になって来ています。
右掲は、当社が勧業展で公開した「文書管理システム」の概要図です。
実際にあるお客様で活用して頂いており、思わぬ効果が出ています。
例えば、仕入先が提案して来た商品の資料をPDF化して登録しているので、数ヵ月後にお客様から問合せがあっても「3Dプリント」というキーワードで検索すると該当のデータがズラリと表示されるのです。
その中からお客様の御要望に近い資料を選び出して印刷して届けるという仕掛けなのです。
さらに、このシステムの応用編があるのです。
お客様の情報を入れておくのです。
例えば、先ほどの「3Dプリント」というキーワードでも、関心を持ってもらったお客様を登録するフォームを用意されて「潜在需要」として提案した履歴が担当者のコメントと共に残るのです。
こういう情報を蓄積すると類似商品が出た時にご紹介するターゲットを選び易くなります。
また、日報報告などでお客様の声を残すようにもなり、担当者が変わっても状況を把握しやすくなるのです。
このように、単に「情報の共有化」と言っても活用の仕方によって大きく変わります。
営業関係の方は、失敗してから上司が「○○しとけば・・」と「後出しジャンケン」の発言が飛んでくるのが一番堪らないものです。
日報による報連相のあり方も改善する必要がありますが、その過程で蓄積する情報も大切な価値を産むものなのです。
「デジタル・デバイド」という言葉がありましたが、デジタル情報を大いに活用したいと思います。