<月刊AMI>2015年7月号 Vol.168 ■△▽●○□
1.「天皇の料理番」に学ぶ
右掲はTBS系列で放映されている「天皇の料理番」というドラマのホームページからコピーしたものです。
日曜日の夜9時からなので、ご覧になっている方もいらっしゃる事と思います。}
視聴率は平均13.5%で高い方との事で、TBSの60周年記念という力の入れ込みが分かる程に面白い番組で、私は、日曜日の午後9時を毎回楽しみにしています。
佐藤健さんが演じる秋山篤蔵(左上)という若者の破天荒な人生ドラマを描いているのですが、何しろ、西洋料理に魅せられて一生懸命に生きようとする姿に感銘します。
この記事を書いている時は第6話までですが、主人公は福井県武生村の秋山家の次男として生まれ、幼い頃から好奇心旺盛なやんちゃな性格で、一旦怒りのスイッチが入ると手が付けられない “かんしゃく持ち” で、気持ちが入らないとでくの坊だが、気持ちが入ると驚くべき集中力を発揮するというわかりやすい性格の人物なのです。
何をやっても長続きしない腰の据わらぬ篤蔵に思い悩んだ両親は 「嫁でもできれば腰が据わるのではないか」 と、海産物問屋の松前屋の婿養子の口に飛びつき結婚させるが、ある日、鯖江連隊で「カツレツ」 に出会い、その味が忘れられず 「コックになる!」 と嫁を置いて単身東京へ上京したのです。
上京していた兄の協力を得て、華族会館の下っ端コックとして働き始め、料理人としての第一歩を踏み出したという物語ですが、封建的な中で丁稚奉公的な扱いに満足せずに英国大使館の五百木という料理長に見習いを頼み込み、華族会館には兄の見舞いと言って英国大使館に通うという二股的な話です。
下駄を手に持って走る姿は印象的です。
このドラマは、まだまだ続くのですが、パリに修行に行き、最終的には天皇家の料理番になるというストーリーなのです。
今後も波乱万丈のドラマが展開されると期待できますが、この話から何を学ぶかが問題です。
ただ単に面白いというのも一つでしょうが、それだけでは、ドラマによる疑似体験が自分の物にならず、勿体ないのです。
私は、若い人が情熱を燃やすものを見つける尊さを感じます。
私の体験に照らし合わせると、若い頃、腎炎を患っており就職に困っていたのです。
三菱重工などの大手はペーパー試験で受かっても身体検査ではねられるという状態を繰り返していたのです。
この時、方針を変えて地元の会社に目を向けて、トヨタ系販売店の門を叩いたのです。
コンピュータをやりたいと故福井社長に直訴して採用してもらい、紆余曲折がありましたが、トヨタや社内の反対を押し切って「ポケットマネーで買ってやる」とIBMのコンピュータを導入してくれたのを思い出します。
私は、当時、入社2年で月給5万円位の時に、幾らポケットマネーと言えども約1800万円(現在価値:大卒初任給20万円とすると7200万円)ものコンピュータを買ってくれたのです。
まだ、評価が定まらない私に多額の投資をしてもらったのです。
それは、私のコンピュータをやりたいという熱意が強くて、トヨタや社内の反対にもかかわらず社長の心を動かしたのです。
天皇の料理番でも同じような意味合いで、主人公は華族会館の宇佐美料理長や英国大使館の五百木料理長に熱意を評価されて目をかけて頂いているのです。
何かをしたいという強烈な思いは人の心を動かすのです。
営業でも「お客様の為」という熱い思いが伝われば、お客様はお金の問題ではなくなるのです。
もちろん、値段は安い方が優位ですが、ライバルに価格で負けているなら、その状況を教えてくれるか指値をしてくれるのです。
人の心をつかむという事は、誰でも重要な事柄なのですが、それはテクニックも必要でしょうが、根本的には「情熱」が必要なのです。
若い情熱で信者客を作って欲しいと思います。