<月刊AMI>2015年5月号 Vol.166 ■△▽●○□
1.「心の鏡」
最近、以前、ある方が「哺乳類は一度ラクすると際限なくなる」とおっしゃっていたのを思いだします。
例えば、新入社員の頃は朝一番に元気よく出社しようと思っていたのに、例えば、電車を一つ遅れるようになったり、朝の挨拶の声も小さくなったりするのですが、これに誰も注意しないので慢性化してしまうのです。
右掲はサラリーマン時代、確か昭和63年頃だったと思いますが、会社ビルの改装工事で竹中工務店が入っていたのですが、その現場トイレの扉の内側に「心の鏡」という物を書いていたのです。
皆さんも同じと思いますが、ハッとする物があり、慌ててメモしたのでした。
誰しも自分に甘いので「心の歪み」が起こっていても、なかなか、気づかないのです。
誰かに注意されるまで気づかないのですが、耳の痛い忠告は誰もしてくれないのも事実なのです。
また、耳の痛い忠告されても「素直」になれる人も少なく、あいつがこんな事を言ったという事だけが残るので「物言えば唇寒し秋の風」と同じなのです。
特に、自分が傲慢と気づいていない人は、そういう傾向が強いので、後で災いとなる可能性があるという恐ろしさが加わるので本当に誰も言ってくれないのです。
こういう方こそ「心の鏡」が必要なのですが、チェックしようという気持ちに欠けるので「心の歪み」に気づかず、逆に、自分が正しいとなりかねないのです。
本当に恐ろしい話なので「心の鏡」を見る必要があるのです。
しかし、先ほどの「ラクをする」という事で気持ちがダラっとして行くという事ですが、「哺乳類は一度ラクすると際限なくなる」という言葉通りにダラっとする事がエスカレートして行くのです。
少し観点が違うかも知れませんが、私たちの世代は借金しても収入が追いつくという時代だったのローンで購入するのは当たり前と思っていたのです。
しかし、バブルがはじけて収入が怪しくなっても、例えば、贅沢癖が残っていてクレジットやローンで購入してしまうのです。
この心の甘さで「過払い金問題」という事態に発展した方が多かったようで、TVやラジオで今でも○○法律事務所というようなCMが流れているのです。
私は、結婚する時に母から「ラーメンを食べてでも、毎月、お金が残るような生活をせよ」と教えられたのですが、バブリーな時代に流されてクルマも5年毎にローンで買っていました。
まぁ、当時はクルマ屋に勤務していたという事を割り引いても、今のように独立して会社経営していると借金は禁物なのです。
うちの税理士さんは「借金は返さねばならない」と言って安易に借金を認めない方ですが、それでも、社員がいるとお金を調達する必要が出るのです。
また、借金を返済するには収支トントンではダメなのです。
返済は金利+元本なのですが、その内、金利は経費なのですが、元本は余剰金で返済する必要があるのです。
すなわち、黒字というだけでは「元本」を返せないのです。これをどのように工面するかが分かれ道なのです。
売上が増えればよいのですが簡単ではないのです。
そうなれば、出費やボーナスを減らす、あるいは、役員報酬や社員の給料を減らすなどで元本を支払えるように工面するか、返済のために借入をするかになるのです。
後者を安易に選ぶと借金に借金をするという悪循環に陥るのです。 これは、企業だけではなく個人でも同じです。
私は、お金の面では母の言葉を「心の鏡」として、できるだけ借金をしない心算でいますが、それでも、会社用の購入をクレジットカードで購入するようになっているので、後でビックリする金額が請求されることがあります。
その度に「心の鏡」を思い出して、借金をしないように再度心を引き締めています。本当に心を引き締めて行く必要を痛感しています。