<月刊AMI>2014年3月号 Vol.152 ■△▽●○□


1.「過去オール善」


 右掲は、今年1月20日に81才で亡くなられた船井幸雄先生の似顔絵です。
私は、平成6年に船井総研で客員経営コンサルタントの資格を得たのですが、その指導者は、当時、取締役だった宮内亨先生で、船井幸雄先生の弟子に当たる方でした。
私は、孫弟子のポジションにあたります。
宮内先生は、古いタイプの船井流の実践者でしたので、私は、船井幸雄先生の創業期の考え方を学ぶことができたと喜んでいます。

 船井先生の教えは、いろんな言葉で表現されていますが、私は、「過去オール善」という言葉が好きです。
多くの方は、「君子、危うきに近寄らず」という格言通りに、一度、失敗した事柄には二度と手を出そうとはしないのですが、「過去オール善」には「逆転の発想」も含まれており、「失敗」に学んで成功に向かう努力という面もあるのです。

 人生には、「成功」も「失敗」も、また、「結果」のでないこともあるのです。
「成功」する確率は、事柄にもよりますが、新規のチャレンジでは、極端には3%にも満たないケースも多いのです。
僅か3%では、殆どが失敗に終わるという事です。
その「失敗」で諦めるか否かによるのです。
「過去オール善」は、こういう「失敗」は反省して「壁」を打ち破るという姿勢にもつながるのです。
「壁」に何度も跳ね返されて突破するから実力がつくのです。

 船井先生も「人間力」という表現をされていますが、何度も「壁」に跳ね返されながら、挑戦し続けた結果、「突破」して磨かれた人や組織は物凄いオーラを発するのです。
ちょっとの努力でも成功すれば「輝き」は出るのですが、何度も繰り返した末の成功は非常に偉大な輝きになるのです。
少し喩えが違いますが、国産ロケットH2Aは、当初は、何度も失敗したのですが、多くの避難に耐えて、現在のように、世界に誇るロケットになったのです。
確かに、最初から成功する方が望ましいのですが、「失敗」という苦い経験を味わう方がより磨かれるのです。
そういう意味でも、若いうちは、いろんな事にチャレンジして失敗を味わった方が、結果的に、大きく育つと言えます。

 私は、平成7年に独立して、現在の会社を起したのですが、この19年間に、何度も、どん底に落ちたことがありました。
この「どん底」(大赤字)は、その度にクリアして来ましたが、その過程で経営コンサルタントとしての成長があったと思っています。
船井総研で学んだ約100名(大阪)の仲間がいましたが、ちょっと、苦しい展開になって経営コンサルタントの道を諦めて、別の世界に転身した方が殆どでした。
私は、「運」という面に恵まれたこともありますが、「どん底」の状態で「なにくそ」という根性と突破する「方策」を練ることによって今日に至ったと思っています。
皆さんは、「どん底」は避けた方が良いですが、それでも、「失敗」の中に次への大きな芽があるのでチャレンジ精神を忘れないようにして、「青年よ、大志を抱け」はクラーク博士の言葉ですが、小さくまとまらないで欲しいと思います。


2.最後に
  4月になりました。今年も、多くのフレッシュマンが誕生しました。
街には、真新しいスーツ姿の若者が目立ちます。
「初心、忘るべからず」という言葉がありますが、私は、自分が41年前(昭和48年)を思い出し、「システムマンを目指して頑張るぞ」という気持ちを思い起こして、この1年を頑張りぬく精神エネルギーを引き出しています。
真新しいスーツという訳には行きませんが、「心は錦」の心算でおります。


月刊AMIトップへ