<月刊AMI>2014年3月号 Vol.152 ■△▽●○□


1.「人生の3つの坂」


右掲は、小泉純一郎さんが首相だった時に使った言葉で広く知られるようになった物です。
「人生には3つの坂がある」と言われるのですが、まず、上り坂は順調な時の様子を言い表しており、下り坂は逆境の時を指します。
ここまでは、よく使いますので、すぐに、思い浮かべた方も多くいらっしゃると思います。
肝心なのは3つ目の「まさか」という坂なのです。
正に、思いもよらないことが起こるのです。

 企業活動では、BCP(Business continuity planning:事業継続計画)としてリスクに対応する策を事前に決めておき、マニュアル化で周知徹底して、いつ、どんな形でリスクが襲って来ても社員が対応できるようにしておく事が大切なのです。
「事業」となっていますが、この考え方は、個人にも通じるものなのです。
個人の場合でも、「リスク」に対応するには、お金が必要になりますから、通常のご家庭では、額の大小に関わらず給与の一部を保険や貯蓄という形でストックされています。
リスク・マネジメントの基本は「お金」ですから、それがベースになって、その上に、例えば、震災などの災害に対しても3日分の食糧と水の備蓄することや家族は離散状態にならないように集合場所を決めておくなどの対策を決めていると推察します。

 しかし、「まさか」は、突然、やって来ますので、心の準備が伴っていないケースが多いのです。
こういう私は、去る1月23日に、妻が温泉旅行の最中に他界するという事がありました。
まだ、63才でしたから、元気に旅行に出かけた位なので、そのまま、何事もなく楽しい思い出と一緒に帰宅する筈だったのです。
しかし、突然、警察から電話がかかって来て、妻の死を告知されたのです。
本当に、何が起こったのか分からない状況だったのですが、とりあえず、群馬県の長野原警察署に行き、遺体を確認し引き取ってきたというような状況でした。

 「突然の死」は、非常に打撃的でした。
まず、何がどこにあるのか分からないのです。
警察から電話で妻の年金や病気の具合などを尋ねられても、正確なところが分からないので困った状態だったのです。
如何に、妻のことを知らなかったかと痛感しています。
大事な銀行通帳なども分からなかったので、その上、鍵も分からないので、本当に戸惑いました。
お葬式を終えてから、部屋の片づけしながら、銀行通帳を目標に鍵探しを行ったのです。

 実は、もっと困った事があるのです。
食べる事です。
幸い、三男が同居していますから、当面は、一緒に、ごはんを食べるので一安心ですが、将来的には、完全に独り身になってしまう事も想定内に入れておかねばならないのです。
意外な点は、最近、家でカラオケをしていたのですが、聞いてくれる人がいなくなったので、歌を上手になりたいという意欲に欠けるようになって来ました。

 このように、「まさか」は起こり得るのです。
例えば、「ガン」です。「ガン保険」という物が月額費用が安く設定されていますが、これに、加入しているかという点もチェックポイントです。
私は、ガンの家系ではないので、ガンを対象とした保険には入っていませんが、この度、再検討しようと思っています。
「まさか」という形で起こってくる「リスク」を想定して対応策をとっておく必要があると痛感したのです。
皆様も一度点検してみては如何でしょうか。


2.最後に
 1月21日に船井幸雄先生が亡くなられたというニュースが飛び込みました。
私は、平成6年、船井総研で学び客員経営コンサルタントの資格を得ました。
指導して下さったのは宮内先生ですから「孫」のような関係でした。
先生の講義もあって、また、セミナーなども優先的に参加させていただき、当時の先生のお考えを拝聴した訳です。
講義では、質問もした記憶があります。
私は、その後、平成7年に会社を興して経営コンサルタント業を行っています。
「船井先生は、何?」って聞かれると迷わず「ツキ」と答えています。
先生の教えに「ついてないお店にはついてない商品が顔を利かせている」というものがあり、私は、商品で「ツキ」を呼ぶと考えてお客様にお話しています。
先生のご冥福を祈ります。


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