<月刊AMI>2013年7月号 Vol.144 ■△▽●○□
1.「日常の五心」
右掲は、「日常の五心」と呼ばれているものです。
出所は曹洞宗などという説もありますが、シンプルなだけに不明という説が多いものです。
まず、いの一番は「はい」という素直な言葉が取り上げられています。
「素直」という事は人に好感をもたれる要素の中でも重要な要素です。
これは、幼い頃に親や幼稚園の先生などに教え込まれるものですが、「はい」という返事が身についていない方が多いのです。
明るく大きな声で「はい」と元気よく応答されれば、発した側は、非常に気持ちがよくなるものです。
「はい」と反射的に返事できるようになって欲しいと思いますが、 声が小さいを含め、なかなか返事のない方が多いものです。
これは「躾け」の問題ですから、上司が率先垂範して躾けて行くようにして頂きたいものです。
次は、「すみません」という反省の心、「おかげさま」という謙虚な心と続きますが、これらは、必要以上に使う方がおられて、返ってマイナスになっているケースもあります。
例えば、やたら「すみません」と言ってから話し出す方がおられるのです。
これは、卑屈な態度にも繋がりますので要注意です。
その点、「おかげさま」は謙虚な表現であり、連発しても「損」する点は少ない言葉と思います。
「おかげさま」と相手の労を労う言葉にもありますので、これは、多く使う方が得することです。
しかし、4番目の「私がします」という奉仕の心が、非常に重要です。
ある方が、例えば、「床にゴミが落ちていたとすると、誰かが拾わねばならないなら自分が拾う」という方がおられました。
積極的な奉仕の精神です。
まさに、その方の行動原理なのです。
ところが、「誰かがやるだろう」と全員が思ってしまえば、何も片付かないのです。
私は、サラリーマン時代に当時の社長様から「アメリカの上流社会では、公衆トイレで手洗いしたら、その手で洗面台をキレイに洗い、汚れを次の人に渡さない」という習慣・風土があると教えて頂きました。
私は、毎回、やっているかと問われれば、決してそうではないのですが、できる限り洗面台の清掃に心掛けるようにしています。
これは、意識の問題のように見えますが、躾けや風土の問題なのです。
全員がキレイにするように動いている集団・組織では、それが「当たり前」になるのです。
このレベルが重要です。
最後は、「ありがとう」という感謝の心なのです。
意外にも「ありがとう」という言葉は、日常、余り発せられない方が多いのも事実です。
しかし、営業の方をウオッチングしてみるとトップ・セールスの方ほど「ありがとう」という言葉を連発されています。
感謝の心と書いていますが、「労う」という意味も多い言葉なのです。
会話の中で、ちょっとした事にも「ありがとう」と労いの言葉を投げかけて、お客様の心をオープンにされているのです。
本当に、重要なパワーを秘めた言葉なので、できる限り使うようにしたいと思います。
このように、「日常の五心」はシンプルですが身につけると得する言葉なのです。
ある会社では、朝礼の締めに「日常の五心」を唱和されています。
「当たり前」な事柄を凡事徹底して「当たり前」に躾けて、よい風土を築かれています。
やはり、「日常の五心」を張り出しておき、唱和するというスタイルは必要ですね。
当社も採用して行きたいと思っています。