<月刊AMI>2012年7月号 Vol.132 ■△▽●○□


1.ハインリッヒの法則


 右掲は、ハインリッヒの法則と呼ばれている物で、皆さんもお聞きになられた経験があると思います。
製造業では労災事故防止の面でもこの法則が取り上げられて、日常の「ヒヤリハット」や「軽微な事故・災害」の報告を重要視しています。

 では、私たち非製造業では、どうでしょうか?重大な事故・災害をクレームと置き換えると「軽微な事故・災害」や「ヒヤリハット」は、どんな事でしょうか?
「注文」が来なくなったのは、価格ばかりでしょうか?
「そう言えば・・」という事が思い当らないでしょうか?

 このように書きますと「ハインリッヒの法則」の重要性がご理解して頂けると思います。
例えば、お客様の「こんな商品は・・」という問合せに対して即座に「ありません!」と対応していないでしょうか?
また、「この商品をこの価格で・・」という要望に対しては如何でしょうか?
前者は、「探す」という事がキーであり、後者は「仕入先との価格交渉」がキーになるのはよくご存じと思いますが、ついつい、やってしまうのが「人」なのです。
公務員の世界なら、このような対応でも許されるかも知れませんが、民間企業では「人間力」が不足と言わざる得ません。

 「ヒヤリハット」を担当者の方が余り気がつかずに起している事とすると、「軽微な事故・災害」は、解決可能なクレームであり、「重大な事故・災害」はお客様を失うという結果であります。
商売には「品質」・「価格」・「納期」の3要素が重要ですが、「出荷」の時に間違った商品を発送したり、入り数の間違いで「数量」が不足したりという「ウッカリ」のミスから、安い仕入先に発注した為に「異物」が混入してクレームになったり、加工のバラツキで品質が一定していなかったりするお客様の製造工程で発見されるクレームと徐々にクレームも深刻化するのです。

 しかし、これらを「逆転の発想」すると大きなビジネス・チャンスをつくるのです。
「こんな商品・・」や「この価格で・・」というお客様のニーズに応えられなかったデータを蓄積すれば、自社のお客様に向けて強化すべきポイントが統計的に見えて来ます。
また、「探す」や「価格交渉」という点でもデータ化すれば「情報の共有化」が可能になり、「経験データベース」として検索可能なシステムにしておけば、営業に強力な支援システムになると期待されます。

 このように、「ハインリッヒの法則」を逆に読むと大きなビジネス・ヒントが生まれて来ます。
「大きな事故・災害」(お客様を失う)という結果の前に、例えば、今月の売上がゼロになるお客様に「声かけ」して発注を促がすなどの努力でお客様との関係が好転して行くのです。
受身から能動的にシフトすると「商品力」も強化できるし、「価格」も「納期」も変わって来ます。
これらは、個々の方々の努力に負うところが「大」なのですが、組織として、基礎となるデータを収集・蓄積する事が非常に重要であります。
今やITのコストは安くなっているので、このような視点のソフトウエアの導入が望まれます。
2。「さいごに」
 上記で「ハインリッヒの法則」を利用してデータの蓄積を推奨していますが、当社では「CRMソフト」として、このような機能を持ったセミ・パッケージ型ソフトを開発しています。
お客様の使用環境に合わして若干の調整をすれば、お客様の要望を反映したシステムとなり、非常に使い易いオーダーメイド感覚のものになるという特長があります。
今、当社の「経営革新」として大阪府に申請中ですが、非常に、中小の納品業向けCRMソフトと評価されています。
ご興味のある方は一度、お問合せをお待ちしています。


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