<月刊AMI>2011年12月号 Vol.125 ■△▽●○□


1.「2011年の回顧と反省」


 私は、サラリーマン時代から毎年、年末に「回顧と反省」、 年初には「展望」という事を書いて来ました。
皆さまにも過去、何度かご紹介してきた事柄です。
PDCAのサイクルを回すと言いますが、この1年にわたるロングランを有意義に過ごすためには欠かせない習慣の一つです。

 しかし、「三日坊主」という言葉があるように、よい事に着手しても続かないのが人情というものです。私も日記などは「三日坊主」で終わるのですが、それに変わる方法として手帳にちょっとトピックスを書き込む方法で補っています。
スケジュールとその結果、あるいはトピックスをメモ書き形式なのです。
この短期間のPDCAとロングスパンのPDCAの2本立てが必要なのです。

 よく「アリの目、トリの目」と言いますが、毎日のチェックでは、どうしても「アリの目」になって近視眼的になってしまいます。
確かに、毎日の実践の積み重ねが重要なのですが、これでは、大きな方向性がないので「羅針盤」を失った船のように彷徨ってしまうのです。
それでも、結果オーライでうまく行く事が多いのですが、「アリの目」では小局観に過ぎず、「トリの目」の大局観がないので大きな変化を計画的には実施できないのです。

 では、「トリの目」はどのように実践するかが問題です。
下記は、本年年初に当方のメルマガで発表した課題の状況表です。


まず、「トリの目」には、このような課題点を一覧表にする事が重要です。
この表には内部の経営に関る事項はオープンにしていませんが、いろんな項目があって、それぞれに課題を列挙しています。
まず、この課題を列挙する事が「トリの目」の第一歩です。
組織的な会社であれば「予算」という呼び名で各担当部署が新しい投資課題を申請する方式をとります。さらに、経営側の「人的投資」(採用や昇給etc)、「設備的投資」(R&Dを含む)の計画などが加わって「利益計画」というレベルになります。
この計画から「営業計画」を立て営業予算としてブレイクダウンして毎月の部門別予算表を作成する事になります。

 このような「トリの目」の計画を「アリの目」で日常管理のPDCAサイクルを回すことになりますが、
個々の活動は「利益計画」に込められたものを実現する活動なのでバラバラぼように見えても「決算」という1本のベクトルに向かっているのです。
その上、計画に込められた「投資」案件を実践されますので、全体的には「上昇スパイラル」になるのです。
もちろん、投資案件ですから投資しただけでは予定の効果を発揮するとは限らないのです。
外部環境の変化で大きく変わることもありますので上記の表のような管理も必要になるのです。

 ちょっと、話が大きくなりましたが、個人の場合もこの考え方を応用できます。
子供の成長に必要な学費や家のリフォームや家電製品やクルマ等の代替など課題は数多くあると思います。
そういう事柄を列挙すると必要な予算が見えて来ます。
給与と貯金などで資金繰りが可能かどうかをチェックすれば「対策」は見えて来ます。
今は個人でもパソコンを持っておられる方が多いのでエクセルを工夫すれば「利益計画」を立てられますのでお薦めいたします。


2。「さいごに」
 災害の年とも言える2011年が終ろうとしています。
今年のルール化では「商品はお客様を創る、サービスは顧客満足を創る」が印象的です。
この言葉通りに実践されている企業ではこの不況下でも新規客をつくって新しい展開に向かっておられます。
「保守8割革新2割」と言いますが、新規開拓には新商品の開拓が重要だという事を再確認した1年でありました。


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