<月刊AMI>2011年1月号 Vol.114 ■△▽●○□


1.龍馬伝に学ぶ

 明けましておめでとうございます。
今年も皆様に幸多かれと願っています。さて、いきなり話題が身近な話になりますが、11月に終ったNHKの大河ドラマ「龍馬伝」をご覧になった方も多数おられると思います。
NHKの大河ドラマは、1年間を通すロングランなので、野球が好きな私には途中で見なくなる事が多かったので、長い間、見ない事が多かったのです。
ところが、最近は、野球中継も少なくなったので、昨年は最初から全部を見ました。とは言え、毎週、見るというのも困難なので、土曜日の再放送に助けられた時もありました。

 さて、このドラマは、岩崎弥太郎が新聞記者に語る形式なので、弥太郎の龍馬観が出ているように思いました。
三菱財閥を築いた弥太郎が、明治18年に新聞記者のインタビューに応えているシーンから始まり、ナレーションで弥太郎が語るという展開でした。
大財閥をなした岩崎弥太郎が、最初から「龍馬は嫌いだ」という対比で始まりました。
この言葉の意味が分らず、心にささっていたのです。

 そして、11ヶ月のドラマが展開したのですが、振返って学んだことをあげて見ると、私は、3つあるように思えて、その中から「ささって」いたものが何か分ったような気になったのです。
それは、

 1)龍馬が「みんな〜で笑顔」と言っていたように、安心して笑顔で暮らせることの重要性
 2)船中八策に見られるように色んな人から学んだことを活かしている事
 3)最後に近江屋で賊に切られて死んでしまうのですが、そのシーンで、一緒に殺害される
中岡慎太郎に「命を燃やし切ったか」と問うていましたが、世の中の為に働く事の尊さの3点なのです。
これら3点は、非常に重要な事だと思います。

 また、岩崎弥太郎は、ドラマの中で「商売」を行うのですが、海援隊の沢村惣之丞らに「こんまいの〜」と言われていました。
私は、この言葉に出会って「大志」という事に気づいたのです。
三菱財閥を築いた弥太郎は、同じように、晩年は社員に「自分の為より国家・人民のために」と説いたという括りで終っていました。
まだまだ、学ぶところがあったかと思いますが、「大志」という事を再度、思い返しました。
皆さんのご感想は如何でしょうか?

 さて、人生には「山谷」がつきものです。
自分の思うように進めたかのような坂本龍馬も新政府の前に死にました。
最下級の武士の子として生まれた岩崎弥太郎は、華やかに活躍する龍馬に嫉妬しながらも、最後は、三菱財閥を創ったのです。
このように、人生は分らないものです。
トヨタ販売店時代の故福井社長は、「栩野君、人生はゴルフと一緒。あがってなんぼ。途中が良いからと見せびらかすものではない」と教えてくださいました。
トヨタ改善の鍔本先生は「一生かかっても出来ないような大きな夢をもて」と教えてくださり、「10年続ければ、達成できる。20年続ければ、プロになれる。30年続ければ、神様になれる」とあきらめずに継続することを教えてくださいました。

 私は、「龍馬伝」に学んだ3つのことを教訓として、今後の人生に活かして行きたいと思っています。
創業して16年になります。30年への道のりの折り返しを過ぎています。
実は、30年の時には、76才なのですが、まだ、元気に活躍できていると思っています。
お蔭様で、昨年、三男が入社して、IT技術を活かして業務改善ソフトを作ってお客様に納入し始めています。
社員の前澤さんは、今年、次男と結婚する予定です。
東京へ行きますが、インターネットで遠隔勤務をしてくれます。
このように、若いエネルギーを頂き、時代の新しい事柄を取り入れながら「龍馬」のような生き方が出来れば最高だなと思っています。ご期待ください。


2。「さいごに」

老若男女、十人十色などと言うように、様々な人がおり、物事の受け止め方も違って来ます。
人の目は、視界が狭いですが、認識も同じです。
どうしても、自分の「知識」や「経験」の範囲に限られてくるのです。
坂本龍馬も多くの見えない「敵」をつくってしまい暗殺されてしまったのです。
経営コンサルタントをしていますので、お客様の中での葛藤、競争社会での葛藤などを指導するのですが、見えない敵に脅えてしまうと職責を果たせなくなります。
今回、「龍馬伝に学ぶ」を書いていて、改めて、こんな思いになりました。



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